オーストリアに住むことになり、日本の運転免許証をオーストリアのものに書き換えたい という方、たくさんいらっしゃいますよね。
今回は、私がウィーンで運転免許の書き換えをした時のことを、細かく書いていこうと思います。
また、これまで免許書き換えのサポートもしてきましたので、その時と比較した注意点なども、いくつか書いていこうと思います。
私自身の免許の書き換えは、きっとどなたのケースよりも複雑になったかと思いますので、皆さんの免許の書き換えはもっとずっとスムーズにいくはずです。
オーストリアでの運転免許書き換えに関して、日本語情報を検索していると、よく「オーストリアに6ヶ月以上居住していることが条件」と書いてあったりします。
交通局に提出する申請用紙には、「私はオーストリアに既に6ヶ月居住しています。あるいは、居住する予定です。」にチェックを入れる欄があるんですよね。
ただ、「居住後まだ6ヶ月にならないから、申請が却下される」ってことは、ないんじゃないかなぁ…と思うのですが…。
以前、駐在の方がオーストリアに着いてすぐに免許の書き換え申請をした時、勤めている会社の勤務証明書を提出するように言われたことはありました(同じような申請条件でも、何も言われない人もいましたが…)。
なので、本当にオーストリアに住み始めたばかり という場合は、<これから6ヶ月以上オーストリアに居住しますよ>の証明になるような何らかの書類を提出するように言われる可能性も、なくはないかもしれません。
また、上とは違い、「オーストリアに住民登録をしてから6ヶ月以内に運転免許を書き換える必要がある」と書かれてあるものもあります。
外国免許の書き換え方法について説明されている オーストリア政府サイト にも、<書き換え期限>として載っていますね。
これには、「オーストリアでちゃんと定期的に運転をする人は、国際免許や母国の免許を使って運転できる期限は6ヶ月だけなので、それを超える場合は、ちゃんと6ヶ月以内に免許の書き換えをしてくださいよ。国際免許や母国の免許で運転できるのは、6ヶ月までですよ。」という意味合いと、
また、「オーストリアに(例えば)10年も前から住んでいて、それ以降ずーっとオーストリアに住み、車も運転していなかったような人(=10年来のペーパードライバー)が、突然オーストリアの免許に書き換え運転されたりしたら危ない」的な意味合いもあると思うんですが、
ここで引っかかって実際に書き換えを却下された方って、いらっしゃいますか?
もしいらっしゃったら、教えていただきたいです。
…というのも、私の周りでは「6ヶ月はとうに過ぎてたけど、なんか書き換えできた」って人ばかりなんですよね…。
実際、書き換えほやほやの私ですが、オーストリアに住民登録をしたのは10年以上前😅 それでも、何一つ注意もされませんでした。
オーストリアの免許証などだと、数年前までは更新が必要なく、もう30年も40年も前に取得した紙製の免許、免許に貼られた写真からでは(写真が若すぎて)人物が特定できないほどになっている免許がまかり通っていましたので、
確かに50年前の外国免許を持つペーパードライバー(更新などは一度もなし)に書き換えられたら怖いかもしれませんが、
日本の免許って頻繁に更新があるじゃないですかね。
なので免許に記載されている日付けも、1970年代とかではなく、どんなに古い免許であったとしてもここ 3~5年ほど。
…そんな事情もあって、この「住民登録から6ヶ月以内に!」という条件は、意外とスルーしてもらえているのかなぁ…などと勝手に思ったりしています。
免許書き換えの際に実地試験が必要のない国というのはほんの10か国ぐらいしかないのですが、日本の免許証はその数少ない10か国の中に入っていますので、そんな部分の信用も、住民登録から6ヶ月過ぎていても、書き換え却下にならない一因かもしれませんが、
…まぁ、正直よくわかりません…😅
ちなみに、下の参考サイトとして掲載している ウィーン警察交通局 のサイトには、「外国免許(=日本の免許)の初回発行日より前6ヶ月は、免許発行国(=日本)にいる必要がある」という規定が載っているのですが、今回私が書き換え手続きをした際、この規定にどっぷりハマってしまって ちょっと苦労しましたので、下の記事を参考にしてみてください。
前置きが長くなりましたが、では下から、書き換え申請方法について細かく見ていきましょう。
運転免許書き換えのための手順
運転免許を書き換えるための大まかな手順は、
1) 警察指定医師の診断書を受け取るため、医師の予約 & 受診
2) 「運転免許証抜粋証明」を受け取るため、日本大使館に申請(受取りは翌日以降)
3) ウィーン警察交通局でオーストリア運転免許の書き換え申請(※ウィーン市在住の場合)
4) 1~2か月後、オーストリアの運転免許証の受け取り
と、こんな感じです。
必要書類の詳細など、下に細かく見ていきましょう。
警察指定医師の診断書を発行してもらおう
上記<参考サイト>と同じリンクですが、こちらの ウィーン警察交通局のサイトに、警察指定医師のリストが掲載されています。
小さ~い字で細々と書かれた手順詳細の途中に、これまた小さく、余白きっつきつで<Liste der ermächtigten Ärzte>と書かれているリンクですね。
PDFファイルになっていますので、クリックで開き、近場の指定医師を探してみてください。
(※PDFファイルにたどり着くまでに、<Liste der ermächtigten Ärzte>を2回クリックする必要があります…。)
希望のお医者さんを見つけたら、運転免許の書き換えに必要な診断書(Das Gutachten)を発行してもらいたい旨を伝え、予約を入れましょう。
2019年8月現在、私が予約を入れた診療所(一般医)では、
+ 料金35ユーロ、
+ 古い免許証(私の場合、日本の免許証 – 大使館で作ってもらった抜粋証明は必要ありませんでした)、
+ パスポート、
+ そしてメガネを使う場合は眼科で視力検査してもらって、その診断書を持ってきて。
と言われました。
えっ!? ここで診断書作ってもらおうと思って予約入れたのに、もう一つ眼科医の診断書がいるのっ!??、じゃぁ、わざわざ一般医に行く意味なくないっ!??と、しょっぱなから軽くパンチを食らわされましたね。
これまでも何度か手続きのサポートをしてきて、こんなパンチを食らったことはなかったんですが(通常は、警察指定医師一人だけを訪ねれば、必要な診断書を作成してくれていたので。たぶんたまたま皆さん、メガネなしで運転できる方だったんですね…)、“えぇぇ、ちょっと、診療所のはしごって手間かかりすぎ…”と一瞬ひるみましたが、受付の方の「Fielmann(オーストリアのメガネチェーン店)なんかでも作ってくれるわよ♪」の一言で、目の前に希望の光が。
私事で恐縮ですが、たまたま1ヶ月ほど前に、Fielmannでメガネを作っていたんですよね。
その際に、やたら手間暇かけて作ってくれた感じの立派な目の診断書があったので、それでも大丈夫か聞いてみたところ、「あ、それで大丈夫ですね~」とのこと。
翌日、診療所(一般医)に赴き、無事診察 & 診断書を受け取りました。
診療所(一般医)ではまず受付で、質問事項に答える用紙を渡され、記入しました。病歴や中毒、常用薬などに関する質問ですが、これはすべてドイツ語でしたね。ほとんど「Nein」でしたが、メガネを使っているかだけ「Ja」でした。
それほど長々とした質問票ではないので、スマホの翻訳機能を使いながら回答すれば(少し時間はかかりますが)、なんとかなるのでは…と思います。
下に写真を貼っておきますね。
Fielmann作の目の診断書をちゃんと持参したんですが、そこ(=診療所)でも目の検査するんですよね、普通に。「これ、見えますか?」みたいな(日本のような「C」の形ではなく、アルファベットでしたが)。
じゃぁなんで、事前に眼科の診断書が必要なんだろう…。
もしかしたら、事前に「メガネを使用している」と申告してしまうと、この“眼科で診断書を受け取る”の工程が増えるのではないかと邪推しているのですが…。
私の場合、日本の免許証に「眼鏡 等」と書いてあるので、事前に「メガネを使う運転です」と申告してしまったんですが、実は目はそれほど悪くもなくて、メガネなしでも問題なく運転できちゃうレベルなんですよね。両眼でギリギリ0.7ないか…というぐらい。実際、今回の一般医の先生が作ってくれた診断書には“メガネが必要”にチェックされていませんでした。
(その代わり、座布団が必要にはチェック入ってましたね w。普通車の身長制限が155センチだそうで、それ以下の(私のような)人は、運転席に座布団を敷いて高くする必要があるそうです。まぁ、“要 座布団”とか、そんな面白い書き方はされてなかったですが…ww。)
極端に目が悪くない限り、この眼科検査工程は本当は必要ないのか、あるいは、私が今回訪ねた一般医のお医者さんが まだ開業したてほやほやだったため、よく規則を把握してなかったのか、はたまた最近規則が変わったのか、そこら辺がちょっと謎のままなんですが、とりあえず今回は、眼科の診断書を要求されました。
あとは血圧や心拍数を計ったり、身長・体重を聞かれたり(自己申告)。
“心拍数が早すぎてまともな数値が測れない”と、「もっと落ち着いて!」と言われましたが、先生の威圧的な「落ち着いて!」が怖くて、最後までなんだかバクバクの数値でしたね。w
普通の会話ができれば問題ないようで、敢えて耳の検査などはありませんでした。
診察時間は10分もなかった感じです。
日本大使館で運転免許証抜粋証明を発行してもらおう
在オーストリア(ウィーン)日本国大使館 – 運転免許証抜粋証明
ここは日本語ですし、それほど難しくないですね。
申請書は上のリンク先からダウンロードできますので、事前に自宅で書き込みを済ませてから持参しました。
申請に必要なのは、
1) 申請書
2) パスポート
3) 有効な日本の運転免許証
私の場合、午前中に申請して、受取りは翌日15時以降と言われました。
その間、日本の運転免許証は大使館に預けることになりますので、車の運転はできなくなります(国際運転免許証のみで運転すると違反になってしまうんですよね。運転の際は常に、日本の運転免許証と併せて持っている必要があります)。
受取りの際に、16ユーロの発行手数料を支払いました。
いざ、ウィーン警察交通局へ ー オーストリア運転免許への書き換え申請に行こう
上のリンク先を見てもらえばわかりますが、一応こちらにも情報を載せておきますね。
住所
Sicherheits- und Verwaltungspolizeiliche Abteilung (SVA) – Verkehrsamt
Dietrichgasse 27, 1030 Wien
※ ウィーン警察交通局というと9区と思っている方も多いかと思いますが、2016年に3区に引っ越しました。
受付時間
月曜~水曜: 8:00~12:30
木曜: 8:00~12:30 および 13:30~17:00
金曜: 8:00~12:00
(12月24日と12月31日はお休み)
※ 2019年頃までは記載されていた木曜午後の受付時間ですが、2020年秋の時点では削除されていました(公式ウェブサイトによると)。
(数週間前は午後も開いていたように思うのですが…)
コロナ期間中の特別受付時間が設定されている可能性もありますので、訪問される際は事前確認を忘れずに!
必要書類
1) 申請書(Antragsformular)※交通局に置いてありますので、そこで記入(下に見本を貼っておきました)。
2) 警察指定医師の診断書 ※上記<警察指定医師の診断書を発行してもらおう>で取得したものです。発行から18ヶ月以内のもの。
3) 運転免許証抜粋証明 ※上記<日本大使館で運転免許証抜粋証明を発行してもらおう>で取得したものです。
4) パスポート ※原本 + コピー2部(写真の付いたページのコピーでOKです)
5) オーストリアの住民票(Bestätigung der Meldung)※原本 + コピー1部
6) 日本の運転免許証 ※原本 + コピー2部
7) 証明写真 1枚 ※36~45 mm x 28~35 mm(パスポート用の写真でOKです)
上記、ウェブサイトに記載のある必要書類に加えて、
8) 在留許可証(私は“Daueraufenthalt – EU”という在留許可証を持っています)※原本 + コピー2部
9) 婚姻証明書(Heiratsurkunde)
の提出を求められました。
婚姻証明書は持参していなかったため、指定されたメールアドレスに後からメールで送るよう言われました。
持参する場合は、他の必要書類と同じように、※原本 + コピー2部 を用意していけば大丈夫だと思います。
注意事項
1) 入口に入るとすぐインフォメーション窓口があり、そこに申請者の人が並んでいるので(まぁ、数人程度ですが)、私も運転免許の書き換え窓口を聞こうと並んだんですよね。
「外国の運転免許からの書き換えに来たんですけど…、どこで…?」と言いかけると、すぐに「OK~」とA4の紙を渡され、「1番の部屋に行ってね」と…。
「1番、1番、1番ってどこかしらね~」とウロウロしていると、まぁ、ウロウロする間もなく、インフォメーションのすぐ向かい側が1番の部屋だとわかったんですが(交通局の入口を入って、すぐ左側の部屋です。ドアは開いていて、待合室になっています)、「…って、何?ここもう待合室??私まだ申請書書いてないんですけど!えぇっ!もらった紙、既に番号書いてある!何これ、既に番号札なの??きゃぁ~、申請書に記入してる時間が~!!」と大変焦りました。
急いでインフォメーションに戻り、「すみません、申請書ください!」と言うと、目の前にドカンと置いてありましたね。
ちなみに、待合室にもドカンと置いてあります。
自分の番まではまだ20人ほど余裕がありそうでしたので、急いで申請書に記入。
名前と住所、国籍、日本の運転免許証の番号、発行年月日、発行機関などをちゃちゃっと記入しましたが、“運転免許証の種類”とか、はっきり言ってよくわからないんですよね。
AなのかBなのかCなのか、あるいは それに番号が付いたような、よくわからない“その中間”みたいなカテゴリーなのか…。
こういう箇所は、何も書かなくても大丈夫そうです。
手続きに慣れた受付の方が、日本の運転免許証を見ながらちゃちゃっと記入してくれますので。
20人ほどの余裕がある番号でしたが、ほんの10分~15分ほどで呼び出されました。
2) 呼び出された部屋(部屋は1つしかありませんが) & 窓口番号の担当者が、提出書類をざざっとチェック。
「〇〇の窓口でお金払ってきて、払ったらすぐにここに戻ってきて。番号札とか取る必要ないから。」と言われました(窓口案内の紙をもらえますので、よく聞き取れなくても大丈夫です)。金額は60,50ユーロ。
指定の窓口で支払いを済ませ、言われた通り、先ほどの受付に突撃し領収書を見せると、「はい、これでオッケーです。婚姻証明書だけ足りないので、メール送付を忘れないで。約2か月後に郵送で連絡を入れますので、そしたら再度 日本の運転免許を持って来てくださいね~」と言われました。
そうそう、最後に、父母の名前・メールアドレス・電話番号も記入させられましたね。
この父母の名前って、在留許可の申請の時など、意外と書かされる機会があるんですが、何のためなんでしょうね~??
さて、2ヶ月後どうなるか…↓↓↓。
ウィーン州以外に住んでいる方は…
私はウィーン在住ですので、ウィーン市警察の交通局で申請しましたが、ウィーン州以外にお住まいの方は、それぞれ管轄の警察なりお役所がありますので、そちらで申請してください。
先ほどから何度かリンクを貼っています オーストリア政府サイト の内の、「Zuständige Stelle(所轄官庁)」の項目に、各地域の担当官庁が検索できるページへのリンクが貼られていますので、ご自分が申請する官庁がどこなのか、検索してみてください。
申請用紙は事前にダウンロードできる?
↑直前に載せた オーストリア政府サイト のサイトから、一応 申請用紙がダウンロードできるようです。
ページ一番下の<Antrag auf Umschreibung des ausländischen Führerscheins>と書かれてあるリンクです。
ただ、私がクリックしたところ、「あなたのPDFビューアーでは古すぎで表示できない」のように表示され、申請用紙を見ることができませんでした。
PDF版申請用紙の書き方なんかも親切に載っているのですが(翻訳機能を使えば わかるかと思います)、それを見る限り、「…これ、私が警察で書いた申請用紙と本当に一緒だっけ…?」とちょっと疑問が…。
…私のPCでは申請用紙自体が表示されないので何とも言えませんが、「いや、ちゃんと表示されたよ」という方は、こちらに書き込んで一応事前に準備をしていき、警察に着いてから、実際に配布されている申請用紙と同内容かどうか比べてみるといいかもしれません。
同内容ならそのまま使えますし、内容が違っていれば、まぁ私のように、その場で急いで記入しましょう。
★ 2021年12月 追記 ★
こちらでダウンロードできる用紙と、実際に現場で配布されている用紙が違い、受付で書き直さなければならなかった…というご連絡をいただきました。“念のため記入して持っていってみる”というのはアリかもしれませんが、やはり実際に警察で配布されている用紙に書き直す必要がありそうです。
交通局から手紙 & 出向いたものの、オーストリアの免許に書き換えられず!!
ここから下↓の内容ですが、実は上の記事を書いてから、1年が経過しています!
というのも、上記の申請の後、受付で言われた“約2ヶ月後”より1ヶ月早い、約1ヶ月後に手紙で連絡が届き、「Wow、早いわ~、こんなにすぐ書き換えられるなんて💕」と、いそいそと交通局へ赴いたところ、なんと審査の結果、書き換え不可と言われてしまったんです(最終的には書き換えできましたので ー時間はかかりましたが…ー、下にはその方法についても書いていきます)。
実は、手紙で届いたLadung(呼び出し通知)には、「日本での免許取得日前 6ヶ月間、日本にいたことを証明できる書類を持って来てください」と書いてありました。
日本の免許には、免許の更新日と、初回の免許取得日の両方が書いてあります。
免許上段の「交付」欄に書いてあるのは免許の更新日、
一方、免許の最下部に小さい字で「○○年○○月○○日」と書かれているのは、初回の免許取得日です。
取得した免許の種類によって「二・小・原」、「他」、「二種」と3種類の日付け欄がありますが、私の場合は「他」のところに初回の免許取得日が書かれていました。
大使館で作成してもらった「運転免許証抜粋証明」にもちゃんと、「初回取得日は○○です」とドイツ語訳がついているのですが、この日付けが私の場合、なぜか上記の免許更新日と同じ日付け=2016年の日付けになってしまっていたんですよね。
2016年、私はもうばりばりオーストリアに住み、住民票にもそう書いてあるのに、<2016年に日本で初めて免許を取得した>って ちょっとおかしいですよね。
免許の取得には数ヶ月かかりますし。
そのため交通局のLadung(呼び出し通知)には、「日本で免許を取得した日の前6ヶ月間、日本にいたことを証明できる書類を持って来てください」と書いてあった訳です。
2016年に日本に6ヶ月滞在していたことは もちろん証明できませんので(オーストリアにいたから)、受付で「これは初回の取得日ではなく、免許の更新日です」と説得して審査を通してもらおうと思ったのですが、結果はやはりアウト。
「では、最初に免許を取得した日付けがわかる書類を持って、また出直してください。」と言われました。
…これは結構長くかかりそうだな…と思ったので、期限はいつまでか聞いたところ、期限は特にないので、準備ができ次第持って来てください と言われました(…そして1年後に持って行った… w)。
なぜ初回の免許取得日が、免許更新日と同日になってしまっていたのか?
実際に初めて免許を取得したのは、免許を更新した2016年よりずっと前の、オーストリアに住み始めるずっと前のことなのに、なぜ初回取得日が免許更新日と同じになってしまっているのか…?
これについて「はて…?」と考えてみたのですが、そういえば…!と思い当たることが…。
海外在住者あるあるかもしれませんが、運転免許証の更新期間(○○年の自分の誕生日の前後1ヶ月、とか決まっていますよね)に日本に帰国できないことってありますよね。
ただ、海外在住など“やむを得ない理由”がある場合、失効後6ヶ月以内なら免許の更新ができるんですよね。
“やむを得ない理由”がない場合でも、失効後6ヶ月以内なら免許の更新ができるようなんですが、私の地元 愛知県警 のサイトで何が違うのか見てみると、
- “やむを得ない理由”がない場合 … 学科試験と技能試験が免除されます
- 海外在住など“やむを得ない理由”がある場合 … 学科試験と技能試験が免除されます & 運転免許の経歴は、継続されます
となっていて、
私は失効後6ヶ月以内に、“やむを得ない理由”をパスポートで証明して免許を更新したはずだったので、本当だったら<運転免許の経歴は継続され>、初回の免許取得日についてもそのまま記録に残るのかなぁ…と思っていたところが、
どういう訳か過去の記録は抹消されて、初回取得日が免許更新日と同日になってしまっていた訳です。
どうして運転免許の経歴が継続されなかったのか…、それはわからず。
日本の家族に頼み、自動車安全運転センターに「運転免許経歴証明書」という書類を発行してもらったのですが、そこにもやはり、免許の取得日として、上と同じ2016年の日付けが書いてありました。
自動車安全運転センターに直接電話をし、こちらの事情を話して、実際の初回取得日がわかる書類がないか尋ねてみたのですが、やはり免許失効後に免許を更新した際に、過去の記録はすべて消されてしまっているので、どこに問い合わせても以前の記録は残念ながら出てこない…と言われてしまいました。
…となると、愛知県警のサイトに書いてある<運転免許の経歴は、継続されます>の意味がわからず、一体何が継続されているのだろう…と思うのですが、とにかくもう、私の実際の初回免許取得日の記録はどこにも残っていない…という、絶望的な状況に…。
有効期限の切れた昔の免許証を探す
…もう、オーストリアで新たに免許を取り直すしかない…とも思ったのですが、唯一の望みとして思いついたのが、
「…有効期限の切れた昔の免許証を翻訳して提出してみるのはどうだろう?
それには初回取得日や当時の免許更新日なども書いてあるから、運がよければ審査を通るかも。」ということ。
審査と言っても審査会議などがある訳ではなく、交通局の受付で事情を話して、たまたま担当者が「これでいいですよー」と言ってくれれば通るものなので、「(公的機関にしては)優しそうな方たちだったし、昔の免許を翻訳して持って行けば、OKしてくれるかも。」と思いついた訳です。
ただ、免許更新の際、古い免許って必ず返してもらえるとも限らないですよね?
確か、返してもらえたりもらえなかったり…、規則はよくわからないのですが、実家の引き出しの奥かどこかに、昔の免許が1枚ぐらい残っていたような記憶があったので、そのかすかな記憶にかけ、次回の帰国の際に探してみることに(どこにあるのか自分でも皆目見当がつかなかったので、家族に頼むこともできず)。
- 免許書き換えの申請が8月
↓ - 「免許の初回取得日がわかる書類を持って来て」と言われたのが9月
↓ - 日本に帰国できたのが翌年1月
という訳で、数ヶ月を要したものの、ついに実家で昔の免許証を1枚発見。執念が実りました。
初回免許取得日2002年、免許の有効期限2004年~2007年とかいう、微妙な日付けが並ぶ免許証で、「…2007年から、上の2016年の間の免許証はどこ…?」などとつっこまれたら万事休すだな…、そしたら、古い免許証は没収されることがほとんどなので、実家にはこれ1枚しか残っていなかったと泣きついてみよう…、などと考えながらオーストリアに戻ってきたのですが、時期がちょうどコロナ第一波到来か?という頃と重なり、交通局に行くべきかどうか迷っている内に外出規制へ…、免許書き換えも、そのまま放置状態になっていました。
昔の免許証を使い、免許の書き換えに成功!
「昔の免許証なんて使っても、きっと却下されるだろうなぁ…」などと思いながら、なんとなく書き換え作業にも身が入らないでいたのですが、コロナ第二波が来る前に試してだけみるか…と、9月に入ってから日本大使館に連絡。
日本大使館に、「運転免許抜粋証明」を古い免許証から作成してもらえるか尋ねるためです。
大使館によると、昔の免許証からは「運転免許抜粋証明」を作成することはできないとのことでした。
また、私が自分で訳した免許証に、翻訳証明を付けてもらうことは可能かどうかも伺ったのですが、これだと「翻訳は合っているけれども、内容の正誤については保証しない」というような内容の大使館スタンプが押されてしまって、もしかすると都合が良くないかもしれないので、
それだったら、オーストリア政府公認翻訳者の方に訳していただく方がいいだろう、ということをとても親切に教えてくださいました。
翻訳者リストに載っていた Patrick HIEHS さんはわかりやすい ウェブサイト を持たれていて、翻訳料なども見当がついて頼みやすそうだったため、早速連絡。
すぐに丁寧な返信をくださり、また「これまでの人生で、こんなに即行で対応してもらったことがあっただろうか」というほど丁寧かつ迅速なご対応で、お願いした日の翌朝には、書留郵便で送られてきた翻訳が私の手元にあるという、魔法の早さで翻訳を作成してくださいました(翻訳手数料は、翻訳が届いた後、銀行振込でお支払いしました)。
でき上がってきた翻訳も、「このまま額に入れて飾っておきたい…」と感じるほどの立派なもので、その立派さだけで、もう書き換え審査通るんじゃない?と思わせるほど。
大使館の方のご親切と、Hiehsさんの素晴らしいお仕事ぶりに後押しされながら、意気揚々と1年ぶりの交通局へ。
1年ぶりの交通局で書き換え手続き
交通局も今(2020年9月)はコロナ対応になっているので、ウェブサイト にも「事前にアポを取っているか、Ladung(呼び出し通知)のある人のみ対応します」となっています。
私の Ladung は1年前のものでしたが、「事前に連絡して断られても面倒だし、直接行ってしまえ」という感じで、1年前の Ladung と Hiehsさんの翻訳を手に交通局へ。
昨年と同じく、入口入ってすぐの受付で番号札をもらうのですが、ソーシャルディスタンスを守って並ぶので、人の列は建物の外まで延びていました。
数分並んでから受付で Ladung を見せ番号札をもらいましたが、「Ladungが1年前のでも10年前のでも何でもいい」ぐらいな勢いで、何のチェックもなく無事番号札をゲット。
待合室は昨年と同じ、受付のすぐ向かいの「1番の部屋」なのですが、ここは混んでましたね。
ソーシャルディスタンスを保つのはほぼ無理。普通に隣り合って座って待つ…という感じでした。
私の番号だとあと50人待ちという、ちょっとギョッとする数でしたが、30分~45分ほどで呼ばれ窓口へ。
昨年の女性とはまた別の女性でしたが、後ろの棚から(1年も前の話なのに)何事もなく私の書類をパパっと見つけて取り出し、そこに残してあったメモと私の説明ですぐに事情を察知。すかさず提示した「額縁に入れて飾っておきたいほどの 昔の免許証の認証翻訳」を確認しながら、「オッケー!パーフェクト!」と連発されていました😊
(あと、昨年既に交通局で支払いを済ませてあることがわかる領収書もチェックされました。領収書は忘れずに持参しましょう!)
1年ほど引きずりましたが、これで無事免許書き換え成功です!
オーストリア免許は郵送で、日本の免許は大使館経由で
「これでオッケーです。でき上った免許は郵送で送りますか?それともここに取りに来ますか?」と聞かれたので、私は郵送をお願いしました。また交通局まで来るのも面倒なので。
郵送をお願いすると、その場で日本の免許は没収 = オーストリアで国際免許証で運転することができなくなるか?となりそうですが、その場で仮免許証<Vorläufige Führerschein>がもらえますので、オーストリアの免許が届くまでは、仮免許証で運転することになります。
仮免許証 & パスポートの組み合わせで運転しますが、仮免許証ではオーストリア国内のみ運転できますので注意しましょう。
仮免許証の有効期限は4週間ですので、本物の免許証が届いたら、適当に処分してしまって大丈夫です。
<郵送をお願いした場合は、その場で日本の免許は没収>、<取りに来る場合は、オーストリアの免許と引き換えに、日本の免許は没収>となります。
没収された各国の免許は、(何日か何ヶ月かかるかはわかりませんが、ある程度枚数がたまってから)各大使館に送られるようで、普通はそこで廃棄なりされてしまうようなのですが、日本大使館は日本の免許証を所有者に返してくれます。
これはとても親切で、免許証を返してもらえない場合、私たちは日本に帰国する度に、オーストリアで国際免許証を発行してもらう必要があるんですよね。
なので、日本の免許の返却を希望する場合は、日本大使館にメールで依頼をしておくと、大使館に免許が届いた時に連絡をくださいます。
私も、日本免許没収後、すぐに日本大使館にお願いの連絡を入れておきました。
交通局の受付で、「日本の免許は、日本大使館経由で戻ってくるんですよね。日本で必要なんですけど…。」と聞いてみたところ、「そこら辺はわからないです。免許は“書き換え”になるので、オーストリアの免許を取得したら、基本は母国の免許証は没収となりますが、各大使館によって対応が違うと思うので、そこら辺は各大使館に問い合わせて。戻ってくるとしても、きっと何ヶ月も先になると思うけど、そこら辺は私たちは関知してないから。」と言われました。
オーストリア免許をゲット & 日本の免許も戻る
…思いがけずうまくいった…と感慨に浸る間もないほど、オーストリアの免許証は1週間ほどですぐに郵送で到着。
その2-3日後には、日本大使館からも「免許証が届いていますので、取りに来てください」の連絡をいただきました。
1年かかった免許の書き換え作業ですが、いざ行ってみればものの1週間強ほどで全行程終了!です。
日本の免許証がこんなに早く戻ってきたのは たまたま偶然だったのか、それとも交通局の受付で「…日本の免許も必要なんですけど…」と伝えたため、受付の方が早めに大使館に送ってくれたのか…、そこら辺は謎。
受付の方は「半年ぐらい先になる可能性もありますよ」と言っていたので、まぁたまたま運良く大使館への没収免許発送直前だったのかもしれません。
私が以前、駐在の方の免許の書き換えを手伝っていた時に、「そろそろオーストリアの免許が届いてもいい頃なのに、なかなか届かない…。どこかの家に間違って配送された可能性がある…。」と心配なことがありました。
交通局に連絡を取ってみても、もう配送済みとのことだったのですが、結局どこに配送されたものやらわからず、運転免許を再発行してもらいました。
私も今回、「郵便だと免許が届かない場合、心配だよなぁ…、ヤキモキするよなぁ…、やっぱり交通局で受取りにすべきだったか…。」とちょっと後悔したりもしたんですが、こんな心配も今回は必要ありませんでした。
というのも、交通局も年々進化している…という感じで、オーストリアの免許証が届いた1週間後ぐらいにちゃんと、「数日前に免許を送りましたが、ちゃんと届いていますか?」の確認の手紙が届いたんですよね、なんと!
以前は本当に、「もう配送されたのかな…、それともまだなのか…、問い合わせてみるか…、いや もうちょっと待った方が…。」と本当にヤキモキしたものだったので、確認の手紙という行き届きぶりに感動しました。
なので皆さんも、「すぐに帰国する訳でもないし、その場で日本の免許を没収されても問題ない」という方は、郵送で受取りを選んでも心配ないかなと思います。
おわりに
1年がかりの免許書き換えでしたが、私のような複雑なケースでも、なんとか無事書き換えることができました。
普通にいけばそれほど難しい手続きではありませんので、皆さんも挑戦してみてください。
ちなみに、オーストリアの運転免許証は、EEA(欧州経済領域 = EU + リヒテンシュタイン・アイスランド・ノルウェー)でも有効です。
記事の最初に書きました、免許書き換えのための前提条件??
前提?①:「オーストリアに6ヶ月以上居住していることが条件」
or
前提?②:「オーストリアに住民登録をしてから6ヶ月以内に運転免許を書き換える必要がある」
については、気にされている方も多いかと思うのですが、これで実際に却下されたという人の生の声を聞いたことがないので、まぁ大丈夫なんじゃないかなぁ…、推測で申し訳ないのですが…。
…居住開始から10年も経っている私が書き換えられたぐらいですし…。
前提?①「オーストリアに6ヶ月以上居住していることが条件」に関しては、冒頭でも書きましたように、<6ヶ月以上居住する予定であることが証明できるような書類(勤務証明書など)>の提出を求められることも、あるかもしれませんね。
それでは、皆さんの運転免許もつつがなく書き換えできますように…😊