オーストリアから完全帰国、あるいはオーストリア国内で引越す場合など、「ゴミ箱に捨てられない家具や家電を、いったいどう処分したらいいのか…」というシチュエーションに出くわしますよね。
アパート内に設置してある一般ゴミに、「ゴミ箱に入るんだからいいだろ」とばかりに、回転式の事務椅子やら自転車やらギョッとするような物が捨ててあることが結構ありますが、これはいただけません(…というか、こういったゴミは持って行ってもらえず、そのまま放置されてしまいます)。
また、最近は断捨離がブームで(私の中で)、結構な大型家具・家電を処分する機会も増えてきました。
売れるものは売り、売れないものは粗大ゴミへ、という訳で、今回はオーストリアで家具や家電を処分する方法・アイディアについて書いていきたいと思います。
家具・家電の処分方法
日本人同士が情報を交換している掲示板を利用する
- 『ウィーン観光情報』内の掲示板: ウィーンの森の散歩道
ウィーン関連の超々老舗サイトさん『ウィーン観光情報』の<ウィーンの森の散歩道>掲示板には、ウィーン在住の方なら、1度ならず2度、3度とお世話になった方も多いのではないでしょうか。こちらの掲示板に売りたい物・金額・譲渡時期などを記載して載せるのが、日本語でやり取りができ、最も簡単かつ安心です。
日本の方が相手なので、料金設定は良心的、かつ大物はなかなか引き取り手がない可能性もあります。
個人で中古品売買をしている『Willhaben』を利用する
オーストリアに数年住まれた方なら、一度は耳にされたことがあるかもしれませんね。
登録ユーザー間で中古品の売買をしているウェブサイト『Willhaben』。
日本の『メルカリ』についてあまり知らないのですが、たぶんオーストリア版『メルカリ』といった感じかと思います。家具・家電のみならず、住宅や自動車から自宅で生まれた子猫まで、何でも売買されています。
ドイツ語のみのサイトで、商品についての説明などサイトへの記載はドイツ語のみ、英語だと削除されてしまいますが、買いたい人とのやり取りは英語でOKです(その場合は、サイトへの掲載は翻訳機能を使って行い、自由記述欄に「売買のやり取りは英語で」と書き添えておくとよいかと思います。)
比較的すぐに受け取りたいという人が多いので、帰国ギリギリまで必要な物は売りにくいというデメリットもありますが、一方で、比較的高値で買い取ってくれる・家まですぐに引き取りに来てくれる・日本人では考えられないような大物でもなんとか持って行ってくれる、といったメリットもあります。
ただ、帰国ギリギリに売る場合には、ちょっと注意が必要です。買い手の人に、事前に十分情報(写真、寸法、年数、メーカー、型式など)を与えておくことももちろん大事ですが、それでも相手がそれを見ていなくて、来てから断られるなんてこともあります。
洗濯機などはギリギリに断られると本当に困るので、1~2週間はもう、近所のコインランドリーを使うこと前提で早めに売ってしまうか、引き取ってもらえれば御の字で超激安で直前に売り払うか、あるいは①でご紹介した掲示板で、日本人の方に安値で売る手もあるかもしれません。
また、この後③・④でご紹介するリサイクルショップ(お金を払えば引き取りに来てくれる)を利用するという方法もあります。
『Willhaben』に<売ります>情報を掲載すると、比較的すぐにコンタクトが届きだし、しかも「今日の夕方 取りに行っていいか?」的な素早い対応の方が多いので、売りたい物は掃除など済ませて、準備を終えてから掲載するのがいいかと思います。
『Willhaben』の売り手側の値段設定ですが、「え、こんな超使用済みみたいなもの、こんな値段で売るの!?」的な、結構強気な値段設定も多く見受けられるので、そういった相場から少し値を引いて掲載すると、本当にすぐに売買交渉が成立したりもします。
あと、「Hello. €15?(= €20 って書いてあるけど、€15 でいい?という意味)」とだけ記載されたような、なんだか売買交渉に手慣れた業者??って感じのメッセージが届くこともありますが、その場合、私は結構無視してしまっていました。業者が目をつけるような“お得”な品なら、すぐに後から 普通に買ってくれる人から続々とメッセージが届きますので…。
なお、『Willhaben』を見た人から問い合わせがあった場合、アポ取りや当日のアレンジ(時間変更などよくある)なんかに多少骨が折れます。
連絡先に電話番号を載せてしまうと、仕事中にじゃんじゃんかかってきて大変ですので、私はまず、メールオンリーで対応していました。実際買う相手が決まったら、その段階で電話番号を送り、SMSでアポの調整するという方法がオススメです。
数年前から、『Willhaben』のウェブサイト上、あるいはスマホにインストールした『Willhaben』のアプリ上でチャットができるようになり、自分の電話番号/メールアドレスを知らせる必要がなくなりました。サクサク動く よくできたチャットで、とても便利です。
『Willhaben』でやり取りをしていると、取りに来る約束をしたのにまったく現れず、返信も何もない…的な、ちょっとアヤしい感じの人に出くわすこともあるので、無駄に個人情報を広げる必要がなくなり助かっています。
【ウィーンの場合】チャリティーのリサイクルショップ『Volkshilfe Wien』を利用する
『Volkshilfe Wien』は、様々なチャリティー活動に積極的に取り組んでいる団体ですが、いらなくなった家具を寄付することで、家具を必要とする方々に回してくれたり、また、中古家具の売上金がチャリティー活動の資金になったりするそうです。
transport.soeb[at]volkshilfe-wien.at
こちらのメールアドレスに、引き取ってもらいたい物の写真を添えて、いつ引き取りに来てもらえるか、料金はいくらぐらいになりそうか、問い合わせてみてください。
通常は、1回の引き取りにつき15ユーロほど支払います。
引き取れない物についても返信メールで回答してくれますが、引き取りができないと判断された物でも、いくらか支払うことで、ゴミ集積場まで運んでくれます。車がなかったり、あるいは素人が運ぶには大きすぎるような家具の場合、このサービスは本当に助かります。
私の場合ですが、勉強机・ソファーテーブル・その他中型の家具2-3点、中型の鏡2枚、それ以外に、引き取れないと言われた大型ソファー、壊れた絵画用額縁、壊れた中型家具1-2点、IKEAの家具に付いていた棚(だけ)20枚ほどを持って行ってもらい、合計金額は50ユーロほどでした(作業時間は約15分ほど)。
引き取りに来た方は男性2名でしたが、とても手際よく、誠意あるお仕事をしてくださり、20ユーロほどのチップも追加でお渡ししました。
この方たちも、Volkshilfe Wien のチャリティー活動で仕事を得ている方々だそうですので、ほんの少しのお心付けは喜ばれることと思います。
また、古着・雑貨・食器なども寄付という形で引き取ってくれますが、その場合は、下記リンク先に住所が掲載されている各Volklhilfe Wien Second-Hand-Shops(ウィーン市内に8か所 5か所あります)に持参してください。
Volkshilfe Wien | Second-Hand-Shops
【ウィーンの場合】チャリティーのリサイクルショップ『Carla』利用する
『Carla』は、オーストリアで大変有名なチャリティー団体『Caritas』の一部門で、上でご紹介したVolkshilfe Wien同様、いらなくなった家具を引き取りに来てくれます。
壊れていたりで引き取れない家具についても、いくらか支払うことで処分してくれるそうですので、こちらも大変便利ですね。
carla-transportcenter[at]caritas-wien.at
こちらのメールアドレスに、引き取ってもらいたい物の写真を添えて、いつ引き取りに来てもらえるか、値段はいくらぐらいになりそうか、問い合わせてみてください。
私が問い合わせた時は、引き取りに3-4週間かかるとのことで、日程の都合が合わずまだ利用したことはないのですが、『Carla』のウェブサイト情報によると、1回の引き取りにつき22ユーロ(作業時間30分)となっています。
古着・雑貨・食器なども、寄付という形で引き取ってもらうことができます。下記リンク先に掲載されている住所(ウィーン5区と21区にあります)に持参してください。
うちは子供の小さくなった衣類・靴、不要になった大人の衣類(あまり使用していないもの)、頂いたけれど ほぼ使用していないキッチン用品など、寄付としてよく持っていきますが、汚れていないか、へたり過ぎていないかなどを、意外とよくチェックされます。
使い古してボロボロになったような物まで引き取ってもらえる という訳ではありませんので、そこら辺はちょっとご注意ください。
下記サイト内に、引き取りできないもののリストも<Liste der Gegenstände, die wir nicht annehmen können.>として細かく掲載されています。
日本人国際学校のバザーに提供する
毎年11月に、ウィーン日本人国際学校でバザーが開かれていますが、その数ヶ月前から、バザー品の寄付を呼び掛けていることがあります。詳細は、オーストリア日本人会 会報「ウィーンの風」などに掲載されます。
ちなみに、2016年に<ご寄付いただきたいもの>として掲載されていたバザー品は、以下のような物でした。
衣類(状態のよいもの)、靴(新品のみ)、スポーツ用品、本、CD・DVD(市販品のみ)、食器・台所用品・玩具・文具などの雑貨、手芸品(手作りの物には5€又は2€のいずれかの値段を付けて下さい)
※家電は動作確認を行ってからのご持参をお願いいたします。
【ウィーンの場合】粗大ゴミとして処分する
その他の粗大ゴミ、電化製品など、通常のゴミ捨て場に捨てられない物は、以下のゴミ集積場に持って行けば無料で引き取ってくれます。ただ、車がなかったり、あまり大きな物だと、素人が運ぶのはなかなか難しいものがありますが…。
粗大ゴミを含め、ウィーンのゴミ出しルールについて、下の関連記事でも詳しくまとめていますので、よかったらご覧ください。
また、引越しに日通さんを利用されている方は、<○○立法メートルまで>という条件付きですが、粗大ゴミを持って行ってくださるそうです。どうしても残ってしまった家具・電化製品処分の最終手段として、これは助かりますね。
おわりに
ヨーロッパの家具・家電って、本当に重いですよね…。
掃除機をかける際の腰への負担具合など尋常じゃないですし(相当頑張りましたが、諦めてついにルンバ買いました)、洗濯機なんかは「洗濯機って重機だったっけ?」というぐらい、何がどうなってこんなことになってしまっているのか、想像もつかないような重さです。
プロの人を呼んで、気合いを入れて動かすピアノのようなものが重いのは理解ができるのですが、洗濯機を動かすって そんな気合い入れたイベントじゃないですよね…、後ろに落ちた歯ブラシを拾いたいだけとか…、それなのにこの重量…。
IKEAの折り畳み式キッチンテーブルを運ぼうと持ち上げたら、見た目からは想像もつかないほどの余りの重さに心臓が痛み出し、バランスを崩した拍子にテーブルが手の指にドンっと落下、指がはじけるという恐ろしい大ケガをしたこともあるぐらいです 😱
そんな家具・家電の数々を処分するとなると、一瞬「とても無理…」という絶望感に襲われますが、思い切って取りかかってみると、意外とサクサクと事が運ぶはずです!
引越しは骨が折れるものですが(特に帰国となると一層!)、上記内容が少しでもお役に立てば嬉しいです 😊