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2024年3月29日(金曜日)
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オーストリアで銀行口座を開設しよう!事前に知っておきたい情報・注意点、また主要銀行について

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Photo by © Erste Bank / Daniel Hinterramskogler

今回は、オーストリアで銀行口座を開設する方法についてご紹介していきたいと思います。

オーストリアにある程度長期滞在する場合は、賃貸住宅や水道・電気・ガス、インターネット等々の引き落とし口座、あるいは勤務先の給与振込み口座としても必要になってきます。

また、学生用の滞在許可を申請する場合等も、申請に際し<滞在中の生活費は十分あるか>の証明として、銀行口座明細を提出したりもしますので、在留許可の申請を予定されている方にも必須となってきますね。

口座開設に際し 特に難しい点などはないのですが、日本とは大きく異なるところもありますので、事前に知っておきたい情報・注意点、また「口座をもつとしたら、まずはここでしょ。」というようなオーストリアの主要銀行についても書いてみます。

銀行の選び方

オーストリアで初めて銀行口座を開設する場合、まずは「店舗(支店)の有無と相談のしやすさ」、そして「大手であること」にポイントを置いて選んでみてください。

近年、店舗(窓口)を持たない“ネット銀行”も増えています。
口座維持手数料がかからず、預金金利も(店舗型銀行に比べて)良いという特徴をアピールしていますが、お金を“貯める・増やす”に視点を向けるのは、オーストリアでの生活がある程度落ち着いてから、言葉にも自信がついてきてからで十分でしょう。
私の経験上、とにもかくにも必要だったのは、何らかの問題が起きた時にすぐに相談できる窓口、そして信頼できる銀行員さんでした。

言葉のよくわからない海外で生活を始める場合、銀行員さんにお世話になる機会が意外にも多くあります。

  • カードが壊れて使えない!すぐに新しいカードを発行してほしい。
  • クレジットカードに身に覚えのない不正と思われる出金記録が!対処の仕方を教えて。

など、ありがちな問題から、

  • 楽器の修理代を送金したはずなのに、半年経っても相手側に届いていないらしい!どうすればいい?
  • 日本のユーロ建て口座に“ユーロ”で送金したのに、途中で勝手に“円”に変えられてしまった!手数料を返してもらって、再度正しく送金し直してほしい。
  • 日本に完全帰国するが、諸々の支払い・払い戻しなどの調整があるため、今ではなく、帰国後3ヶ月経ったら口座を閉じてほしい。

などなどのちょっと複雑な問題まで、日々起こってくる問題・お願いはそれこそ枚挙に暇がないほどで、その度に懇意の銀行員さんに助けてもらいました。

ですので とにかく、すぐに相談できる窓口があること、つまり自宅や職場から行きやすい場所に支店を持つ銀行ということになりますが、信頼できる銀行員さん、しかも英語でも問題なくやり取りができる方を見つけるというのは、もちろんそれほど簡単ではありません。

オーストリアでは顧客ごとに決まった担当者がつき、その方にずっとお世話になることになりますので、信頼できる銀行員さんとの出会いは重要です。

平気で間違った情報を与えてくる銀行員さん(たぶん自分でも“ちょっとわからないな…”と思っているのに、同僚に確認せず適当に回答してくる)、

よくわからない&間違っていることでも聞く耳を持たず(却ってお客さんの方が 過去の経験からよくわかっている、というケースもあるんですよね)、「絶対にできない」の一点張りな銀行員さん、

定期的に電話がかかってきて(しかも頻繁に)、なんだかんだと店舗に出向かせ、新サービスの宣伝ばかりしてくる銀行員さん、

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なんて方もいて、なかなか厄介です。

すぐに相談できる信頼のおける銀行員さんがいること、という点に加えて、いわゆる“大手”であることも考慮に入れてみてください。

大手の場合、やはりサービスが充実していますので、私たちのように海外への送金や受取りなどをお願いする機会が多いと思われる場合でも対応が柔軟で、(比較的)安心です。
また、口座開設のための規定なども似通っていますので、窓口で予想外の必要書類を求められて面食らう、といったケースも少ないようです。

オーストリアの大手銀行については、下でご紹介していますのでご参照ください。

信頼できる銀行員さん

私が知り合った中で一番信頼できる銀行員さんは、Erste Bank の18区にある支店にいらっしゃる女性

いつもやる気に満ちていて、問題が起こると耳を傾け(ここ大事!)、すぐに解決に向けて動き出してくれます。
対応も素早く、もし自分ではよくわからないこと、あやふやなことがあれば、すぐに詳しい担当者に確認を取ってくれます。

大変な親日家でもいらっしゃって、日本にも何度か行かれたことがある方です。
こういう小さなポイントが、お互いの信頼関係を築くのに大切だったりするんですよねぇ。

日本人の予約が入っている日には、おにぎりのピアスをつけてきてくれたりするお茶目さんでもいらっしゃいます。笑
おじい様、おじ様は有名なオペラ歌手でいらっしゃったり、なんとなくオーストリアらしい“香り”をまとった素敵な女性です。

こうした銀行員さんと顔見知りになっておくと(もちろん、銀行以外でのつながりはないのですが…)、いざ事が起こった時に親身になって対応してくれますし、私も私の友人・知人も、この方には本当に、それこそ幾度となく助けていただきました。

もし「この銀行員さんに担当になっていただきたい!」という方がいらっしゃいましたら、Sumemiya まで遠慮なくご連絡くださいね(お問い合わせ先は こちら です)
「お知り合いの方にもご紹介くださって、もちろんいいですよー」と確認を取っていますので、喜んでご紹介(& アポイントメントの手配も)させていただきます(もちろんお代はいただきませんよー ^^)。

※ ↑こちらの銀行員さんが退職されたため、現在 お問合わせは受け付けておりません。申し訳ありません!

口座を開設するためには、銀行員さんと落ち着いて話ができるよう、予約を取っていくのがベストです。
いろいろ尋ねたりしている内に 1時間ぐらいはすぐに過ぎてしまいますので、所要時間は1時間強…と見ておくとよいでしょう。

銀行口座を開設する

上からの流れで、Erste Bank での口座開設方法について書いていきます。

ただ、大手の店舗型銀行(街中に数多くの支店を持つ大手銀行)で口座を開く場合、手続きに大差はありませんので、どちらの銀行で口座を開く場合も参考にしていただけるかと思います。
Erste Bank 以外の大手店舗型銀行については、下の一覧をご参照ください。

リストに載せていない中規模銀行で口座を開いた方などもいらっしゃいましたが(理由は会社に近かったから)、口座開設条件が大手銀行と違っていたりで“不便なもんだなぁ…”とも感じましたし、また何か問題が起こった時、友人知人の経験を参考にできず、周りに相談しにくいというのもマイナス面かなと感じました。

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銀行に予約を入れる

口座を開設するためには、まず銀行に予約を入れることをお勧めします。

アポなし不可という訳では全然ないんですが、オーストリアでは銀行にしろ病院にしろレストランにしろ、“あらかじめ予約を取る”というのが意外と一般的です。
“予約を取っていない”というと、一瞬“えっ!?”という顔をされる時も結構あったりします。

長時間待たされたり、また時間の都合上、早めに切り上げなければならなかったり…というのを避けるためにも、できるだけ予約を入れてから行きましょう。

近年は、インターネットを使って口座を開く方法も普及してきて、「あ、これが一番簡単じゃない?💕」と思われる方多いかと思うのですが、これが意外と曲者で…。
<なぜか申込みができておらず 結局は店舗に出向くことに…>、<一度インターネットで申込みをしている分 事態が却ってややこしく…>という場合もあり、結局全然簡単じゃなかった…ということになりかねませんので、私はやはり従来の、店舗に直接出向いて口座を開設する方法をお勧めします。

担当の銀行員さんともお知り合いになれる 良いチャンスですしね。

大手の店舗型銀行の中では、Erste Bank が唯一英語版ウェブサイトを持っていますので(2020年10月現在)、連絡先が探しやすいかと思います。

Bank Austria なんかだと、「何、国営なの?安全なの?」みたいな感じで、なんとなく名前で選びたくなりますが 笑(実際はイタリアの Uni Credit Group の傘下にある、普通の民間銀行です)、ウェブを見てみたところ、連絡先として電話番号しか出てないんですよね。

私は個人的に電話って好きじゃないですし 笑、慣れない言語でやり取りをするのってリスクが大きいですよね。

ですので皆さんも、もし行きやすい場所に店舗があるようでしたら、直接店舗に行ってしまうのがいいかもしれません。

必ず「Information」のように書かれた総合受付がありますので、そこで「口座を開設したいので、予約を入れたいのですが。」と言ってみてください。
すぐに予約を入れてくれますし、口座開設の担当者が空いていれば、その場で対応してもらえるかもしれません。

使える(かもしれない)ドイツ語文としては、

Ich möchte ein Girokonto eröffnen.
(普通預金口座を開設したいのですが。)

Kann man mit einem Berater darüber in Englisch sprechen?
(この件について、担当の方と英語で話せますか?)

こんな感じで訊いてみると、英語でやり取りができる方が担当してくださるかと思います。

口座開設に必要な書類

ウィーン(or オーストリア)で住民登録(および転出届)申請をする方法と注意点
ウィーン(or オーストリア)で住民登録(および転出届)申請をする方法と注意点
オーストリアで生活を始めるための第一歩、何よりも先に必要となる公的手続きが住民登録です。 滞在が2ヶ月未満と短…
https://sumemiya.net/anmeldung-abmeldung/
  • 就労している場合は、給与明細・就労証明書など
    学生の方は、学生証や就学証明書などこれに類する書類があれば、すべて持参しましょう。
  • 日本の12桁のマイナンバー
    このマイナンバー!ちょっと厄介ですよね。
    銀行口座開設の際に要求されるようになったのは、ほんの数年前からです。銀行口座開設に際して 出身国の納税番号を提示する必要があり、銀行の口座開設規定に“日本人の場合はマイナンバーを提示すること”と明記されてしまっています。“マイナンバーを持っている”という方は、忘れずに持参するようにしてください。海外在住が長くマイナンバーがないという方は、これまで滞在していた国の“納税番号”に当たる番号を持参します。何が納税番号に当たるのかは 銀行の口座開設規定で定められていますので、詳細は銀行員さんに尋ねてみてください。オーストリアに完全移住、納税義務があるのはオーストリアだけという方は、その状況を銀行員さんに話してみてください。
    この場合、マイナンバーの提出は必要ありません。
  • いろいろと聞かれます
    こちらも最近の傾向なのですが、口座開設に際して、文字通り“いろいろ聞かれる”ようになりました。
    振り込まれるお金の出所・流れに注意を払っているようです。口座開設のための審査は、数年前までに比べると明らかに厳しくなってきています。
    オーストリアで就労される方・その給与振込み口座として使用したいという場合は、その会社名を提示する程度の情報で大丈夫かと思いますが、例えば学生さんなど、オーストリアでの就労先を明示できない場合がありますよね。
    そんな場合は、「振込みは現金になるのか?日本からの送金になるのか?」、「いつ頃振り込まれるのか?月々の振込みになるのか?」、「振り込まれるのは自分のお金か?親のお金か?親の場合、親の勤務先(つまり、親のお金の出所ですよね)はどこか?」などなど、とにかく“お金の出所”を追求してくる感じです。その場で焦らずに済むよう、上記のような質問への回答を準備しておかれるとよいかと思います。言葉に自信がない方は、お知り合いの方などに通訳として同行していただくとよいでしょう。
    その場合、通訳をされる方の身分証明書が必要になる場合がありますので、付き添いの際には忘れずにパスポートを持ってきてもらうようにしてください。

銀行によっては住民票の提出が必須であったり、また一部ですが在留許可証(在留許可については、こちらの関連記事<オーストリアであなたが申請する在留許可はどれ? ① – 滞在許可全11種 について説明します>をご参照ください)の提示を求められる場合もあります。

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オーストリアであなたが申請する在留許可はどれ? ① – 滞在許可全11種 について説明します
オーストリアであなたが申請する在留許可はどれ? ① – 滞在許可全11種 について説明します
日本国籍保有者は、観光・知人訪問・出張(商談)など、就労以外の目的でオーストリアを訪れ、その滞在が6ヶ月を超え…
https://sumemiya.net/aufenthaltstitel-in-austria-1/

<なんらかの事情で住民票が提出できない>、あるいは<在留許可証はまだ持っていない>という場合は諦めて、別の銀行を当たってみましょう。

普通預金口座<Girokonto>と定期預金口座<Sparkonto>

皆さんがまず開設するのが Girokonto です。日本の普通預金口座に当たります。
いつでもお金が出し入れできる口座で、就労される予定の方は給与振込用口座としても使用します。

いわゆる“普段使い”の口座で、他口座への振込みや自動引き落としなどにも使用しますね。

一方、Sparkonto というのは、日本の定期預金口座に当たります。
いわゆる貯蓄用の口座で 出金できるタイミングに制限はありますが、普通預金口座よりも高い金利となっています。

Girokonto と Sparkontoを、同時に開設することが条件となっている銀行もあります。

給与は Girokonto に振り込まれ、その後自分で、金利の高いSparkontoに預金の一部を移動させる、という感じですね(移動させたければ)。
インターネットバンキングで移動させれば、作業は10秒で終わります。

学生さんは口座維持手数料のかからない“学生用口座”がお得です!

オーストリアでは日本と違い、銀行に“口座維持手数料”というものを支払う必要があります(ネット銀行は除きます)。

Erste Bank だと、(最もスタンダードな)普通預金口座で年間65ユーロほどかかります(最初の1年は無料/通常の普通預金口座に加え、オーストリアで“最先端”と謳われている とても便利で使いやすいインターネットバンキングサービス“George”が付きます)。

口座維持手数料は各銀行によって違いがあり、細かなサービスの違いによっても値段が変動するので正確な比較は難しいのですが、概ね60ユーロ~90ユーロほどという印象です。

口座維持手数料はかかりますが、預金引き出し手数料は(ほぼ)かかりませんので(後述します)、プラマイゼロというか、月に2~3回引き出す方だったら むしろお得と言えますよね。

ちなみに、預金引き出し手数料に加え、口座振込(EU加盟国を含めた32カ国内で有効な SEPA Credit Transfer)手数料なども無料です。
日本だと、他銀行に振込をする度に300円前後の振込手数料がかかりますので、(口座維持費がかかるとは言っても)“損をしている”とも言えない感じです。

そんな安いとは言えない口座維持手数料ですが、学生用口座の場合、無料になります。
学生用サービスは、概ね“27歳まで”としている銀行が多いようです。

uni.at には他行との比較・お勧め理由などがわかりやすくまとめてありますので、興味のある方は翻訳機能などを使って読んでみてください。

バンクカードは郵送で届きます

バンクカードは、口座開設申込み完了後 1週間ほどで、自宅に郵送で送られてきます。

普通は郵送で問題ないかと思いますが、“同居人が怪しすぎて家に送ってほしくない”、“実は近々引っ越す予定” 等々 事情がある場合は、自分で銀行に取りに行くことも可能かと思います。
開設申込みの際に尋ねてみてください。

バンクカードの暗証番号は、通常はカードより数日遅れて 必ず別便で郵送されてきますので、カード番号と暗証番号が同時に第3者に見られてしまうという心配はありません。

私が住んでいるアパートでは、銀行から届いたカード類の入った封筒がすべて開けられ、ゴミ箱に捨てられていた、ということがありました。
郵便受けの真下に設置してあるアパート住民共有のゴミ箱に捨てられていましたので たまたま気づきましたが、普通はちょっと気づかないですよね?
「バンクカード、届かないなぁ…。まだかなぁ…。」なんて思って待っていたら、実は番号を盗み見られて捨てられていたなんて…。

ですので、銀行で「約1週間ほどで自宅に届く」と言われた場合、指定期日前後は郵便受け周りをよくよくチェックしておくといいかもしれませんね。
「到着が遅すぎない?ちょっとおかしくない?」と感じたら、すぐに銀行に問い合わせるようにするとよいでしょう。

こうして届いたバンクカードですが、オーストリアでは<Bankomatkarte(バンコマート カルテ)>と呼ばれています。
ATMから現金を引き出す通常のキャッシュカード機能に加え、デビットカード機能電子マネー機能 などが付いたものも多いです。

デビットカード機能

このデビットカード機能は、オーストリアでは人気がありますねぇ。
クレジットカードのように“月末に一括で事後決済”というのではなく、カードで購入と同時に、代金が口座から即座に引き落とされるのがデビットカードです。

20~30ユーロ程度までだと暗証番号の入力も必要ないので(※コロナ禍期間はカードでの支払いが推奨されているため、暗証番号なし購入限度額が引き上げられたりしています)、お買い物が“ピッ!”で終わってしまって本当に便利。
赤ちゃんを前に抱えて、片手でベビーカーを押して…なんていう状況の時は、特に助かりました。
毎回の手数料などもかかりません。

支払いの際に、

「Mit (Bankomat)karte, bitte!(ミット <バンコマート>カルテ、ビッテ)
(カードでお願いします)

と伝えましょう。

私が使っている Erste Bank では、George という それはそれは優れたインターネットバンキングサービスが付いていて、私がカードで購入すると、即座に美しく見やすく、お店のロゴまで付けて、入出金を記録していってくれるんですよね。

この1ヶ月、私がどこで油を売り、無駄な出費をしていたかが一目瞭然!という感じ。

自分ですら信用できない抜け抜けの家計簿なんか付けているよりも、よっぽど信頼できて助かっています。

預金通帳はありません

バンクカードが出たところでもう一点、日本だとカードとセットになっているような預金通帳ですが、オーストリアでは通常、預金通帳はありません

WEB口座などが普及し、日本でも徐々に、預金通帳が発行されなくなっている銀行サービスもあるかな…?と思いますが、オーストリアには元々、預金通帳というものが存在せず、出入金明細は各自 自分で、銀行に設置されている記録用の機械(Bankauszug<銀行明細書>と書かれている機械)でプリントアウトします。

ただ、オーストリアでもインターネットバンキングが主流となってきて、入出金取引や残金については、インターネットで簡単に管理&印刷することができるようになってきていますので、今もまだ記録用機械で定期的にプリントアウトしているって方は、ずいぶん少なくなってきているのでは…?

少なくとも私は、もう数年間、自分でプリントアウトしたことはありません。
長らくプリントアウトを忘れていると、以前は銀行から「プリントアウトを忘れているぞ!」とドカッと一気にプリントアウトした紙の束が送られてきたりもしましたが、最近はそれもなくなりましたねぇ…。

Erste Bank 以外にもあります。大手の店舗型銀行

ウィーンの街を歩いていると、銀行の支店って本当にちょくちょく見かけますよね。
大手の店舗型銀行でしたら、どこの銀行を選んだとしてもサービスに大差はないので、まずはご自宅や職場に近い、何かあった場合に相談に行きやすい銀行を選ぶとよいかと思います。

後述しますが、口座引き出し手数料は(ほぼ)一切無料ですので(他行で引き出したとしても一切無料)、“現金を下ろすのに手数料がかからないATMが近い”という理由は考慮しなくて大丈夫です。

私的にはやはり、自分が使って満足している Erste Bank がお勧めで、インターネットバンキングシステムのあまりの素晴らしさ・美しさに、他行に乗り換えようという気持ちはみじんも起きないので、“どれにしようか迷う~”という方には、Erste Bank、お勧めです(口座維持手数料も割安です)。

各銀行、本当に様々な数多くのサービスを展開していますが、その中から「これがこの銀行の最もスタンダードな口座なんだろうな」と思われるものを下に載せました。
各銀行、<最初の1年間は口座維持費無料>等々のサービスが用意されていますので、それぞれチェックしてみてください。

大手銀行最もスタンダードなGirokonto年間の口座維持費説明
Erste Banks Plus Konto
inkl. Internetbanking George
約65ユーロオーストリア・ウィーンに本社を置く総合金融機関。創業1819年。
Wikipediaの説明(日本語)
Bank AustriaDas Relax-Konto約98ユーロイタリアの Unicredit グループ傘下にある民間銀行。
Wikipediaの説明(日本語)
ReiffeisenWien Konto(ウィーンの場合)約75ユーログループ銀行と合わせると総資産オーストリア第1位のメガバンク。
Wikipedia の説明(ドイツ語)
Bawag PSK① KontoBox Small
② KontoBox Medium
① 約60ユーロ
② 約82ユーロ
2005年にBAWAG と P.S.K.(=郵便貯金事業) が合併し、
総資産オーストリア第4位に(※2020年現在、郵便局とは関係なし)。
Wikipedia(ドイツ語)
VolksbankDirekt Konto約70ユーロ2015年に組織再編。8つの地方Volksbank等からなる。
Wikipedia(ドイツ語)

ATMでの預金引き出し手数料は無料です(今のところ)

日本で口座を開設する場合、この預金引き出し手数料なんかも気になる点ですが、オーストリアでは(ほぼ)無料になります。
お隣りドイツでは普通に手数料がかかるそうなので、ずいぶん違いますよね。

銀行内にあるATMで引き出そうが、道端に設置してあるATMで引き出そうが、はたまた他行のATMで引き出そうが(!)、手数料は(ほぼ)かかりません。

預金引き出し手数料が(ほぼ)無料である代わりに 一律の口座維持手数料が請求される、という側面があるんですね。

ただし、米国系のEuronet社が設置するATMでは、少し注意する必要があります。
(と言っても、Euronet社のATMは、全ATMの1%ほどしかないと言われていますが。)

Euronet
↑ こんなロゴがついたATMです。

長らく“預金引き出し手数料無料”を貫いてきたオーストリアですが、2016年7月より、Euronet社設置のATMでは手数料が引かれるようになりました(1回につき約2ユーロほど)。
Euronet社のATMでも、手数料が引かれないところもあるようです。
“ここでは手数料がかかりません”のようなリストになって発表されている訳ではありませんので、個々人で一つずつ調べていくしかないのですが…。

オーストリア国内の銀行のカードを使用している場合、この手数料は銀行から返金してもらえたのですが、2018年10月、憲法裁判所により「銀行には、手数料の返金義務なし」との判断が下されたため、手数料が返金されていないケースも普通にあるかと思います。

ただ、突然何の前触れもなく手数料が引かれていた、ということはなく、銀行からも事前に 契約内容が変更されたことを伝える通知が届くはずですし、ATMの画面にも“今回の預金引き出しには XX ユーロの手数料がかかります”との注意書きが表示されます。

(注意書き表示が小さすぎて見にくい!という批判があり、今は少し大きく、見やすく表示されているはずです。)

Euronet社は 全ATMの1%…ということで大した数ではありませんが、ウィーン1区やショッピング大通りのマリアヒルファー通りなどには意外と集中していますので、気になる方は注意してみてください。

下に、Euronet社ATM設置場所を示す住所・マップへのリンクを載せます。
※ Euronet社が公式に発表しているものではなく、“市井の、有志の人から情報を集めた”系の住所・マップですので、正確性は保証されていません。

道端のATMを利用する場合は注意を!

ATMは、オーストリアではBankomat<バンコマート>と呼ばれていますが、

  • 人通りの多い道端(アパートの壁面に埋め込まれているような感じ)
  • 大きな鉄道駅の構内
  • 銀行内
  • 銀行の外側(やはり壁面に埋め込まれているような感じ)
  • スーパーマーケットやショッピングセンター内
  • ガソリンスタンド

など、街の至る所で見かけるかと思います。

下↓のサイトでも、区や通り名を入力することで、すぐに近くのATMを地図上に表示してくれます。
(※検索しやすいサイトではありますが、公的サイトではないので“抜け”もあります…。)

ただ、道端や駅構内など、どことなく“ガードされている感”がないATMは特に注意が必要です。

日常的に頻繁に起きている訳ではありませんが、カード差し込み口に細工がしてあり カード情報を盗まれる、というようなスキミング詐欺事件もありました。

「聖シュテファン大聖堂前のATMで、こんなしかけでスキミングされていた」という有名な動画がこちら↓。

ちょっとこれは、わからないですよね…。

パスワードを打ち込む時、周りからは見えないように手で隠しながら押す…というのを気をつけていれば(どこかに小型カメラが設置されている)、現金を下ろされるのまでは防げるようなのですが(詐欺の詳細な手口などはわかりませんが)、気持ちのいいものではありません。

ですので私は、必ず銀行内のATMを使うようにしています。

日本の銀行と同じように、銀行の営業時間を過ぎても使えるATMというのが銀行店舗内に設置されていますので(だいたい入口入ってすぐの所)、それを利用していますね。

営業時間外に銀行の店舗内に入る場合は、入口の自動ドア横に設置されているカードリーダーに、キャッシュカード(Bankomatkarte)を差し込むか、あるいはかざすかすれば入口の施錠が解除され、自動ドアが開きます。

ただ、この時も注意が必要で、この施錠解除のためのカードリーダーに、スキミング装置が仕込まれている…ということも なくはないんだそうです。

なので、店舗内で現金を下ろす際も安心しきらず、パスワードを打ち込む際は必ず手元を隠して…というのがマストになりますね。

私が経験したのはスキミング詐欺ではなかった(と思う)のですが、出勤途中にどうしてもすぐに現金が必要になり、鉄道駅に設置されているATMを利用した時に“事件”は起こりました。

無事、現金も受取り、さぁカードを取って帰ろう…としたところ、カードが出てこなかったんですよね。

「このままここを離れると、詐欺だった場合、後からカードだけ抜き取られ、どこかから撮影されていたカメラでパスワードも盗み取られ、現金を引き出されるかも…。」

その日はちょうど、会社に、たぶん会社史上一番大切なお客様がいらっしゃる日で、朝早く出勤しなければいけなかったのですが、カードは出てこないし、後ろに並んだ人は「まだかなぁ…」という感じで待っているし、もうめちゃくちゃ焦りましたね。

そこでまず、このATMを設置している会社をスマホで探し、カスタマーサービスに「ATMからカードが出てこない」と電話をしました。

電話中も、後ろに人がどんどんと並んでくるので、その人たちには“ここはダメよ~”的なジェスチャーをしながら、「Der Bankomat ist defekt.(このATM、壊れています)」と伝えました。

結局、ATMは直らず、カードも出てこず、私のカード会社であるErste Bankに電話をしてカードを無効化してもらい、しぶしぶその場を離れる…という感じで、事件は一応解決したのですが、カードを無効化してしまった後は、すぐにお金を下ろすことも、カードで買うこともできなくなりますし、これは結構困ります。

道端や鉄道駅内などのATMは ちょっと“野外”にあるような感じで、若干風雨にさらされているような、メンテナンスが行き届いていないような感じもありますし、こんな経験もあり、私はやはり必ず銀行内のATMだけを使うようになりました。

おわりに

今回は、オーストリアで銀行口座を開設する方法についてご紹介しました。

Erste Bank<18区>の親切な銀行員さんに担当になってもらいたい、という方は、ご遠慮なく ご連絡 くださいね。

この方にお願いすると、オーストリア到着後すぐに まず普通の口座を開設し、その後 大学の学籍番号が取れた時点で学生用口座に変更する…といったような ちょっと複雑なお願いにも、柔軟に対応してくださいます。

大学の聴講生として滞在し、滞在期間も1年以内…というぐらいの場合だと、“親切な担当銀行員さんのありがたみ”というのはそれほど大きくは感じないかもしれないですが、駐在でオーストリアに何年間か滞在予定というような方などだと、きっと“この銀行員さんのお蔭で助かった…”というようなご経験を 幾度となくされることと思います。

また別の記事で、ATMでのお金の下ろし方なども書いてみたいと思いますが、とりあえず口座の開設方法 in オーストリアでした。

オーストリアで生活を始める…という方のご参考になりましたら、嬉しいです😊

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♡すめぺん♡
♡すめぺん♡
~2009年よりウィーン在住~
ウィーンで子育て中の一児のママです。
ウィーン留学中に出会ったオーストリア人と結婚。大学研究室、芸術文化系事務所、重工業メーカー勤務を経てフリーに。専門は文化人類学。
オーストリアでのリロケーションサービス(生活立ち上げサポート)に10年以上携わっていました。

カウンセラーの方に「あなたが完璧主義でしっかり者?とんでもない!一歩先はどちらに飛んでいくのか予測できない、ぼよよ~んぼよよ~と跳ねるゴムボールのような性格ですよ」と言われ、「…えぇっ…!?? …その通りだな…」と諦めとともに真実に目覚め、気持ちが楽になりました。
ウェブ制作、ネコ、写真、宇宙、宗教音楽などが好き。
地球上でああでもないこうでもないと右往左往している自分の様子を、宇宙からニコニコニヤニヤしながら見ているように生きたいなと思っています。
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