オーストリアの地に足を踏み入れ生活を始めるための第一歩、何よりも先に必要となる公的手続きが住民登録です。
第一歩ではありますが、幸い難しい・ややこしい手続きではありません!
オーストリアでの新生活が始まり、これから次々と押し寄せる手続きの波への小手試しにちょうどよい難易度です。
滞在が2ヶ月未満と短い旅行者、外交官、また国際機関で仕事をされている方は登録の必要はありませんが、日本から送った引越し荷物の通関、銀行での口座開設、滞在許可の申請時など、あらゆる機会に必要になってきますので、オーストリアでの新居が決まったらすぐに、臆することなく、パパパっと登録を済ませてしまいましょう!
オーストリアでの住民登録(Anmelden eines Wohnsitzes)と、それに加えてもう一つ、日本などに完全帰国する場合など、オーストリアを転出する場合に必要となる転出届(Abmelden eines Wohnsitzes)について丁寧に解説していきますね。
ちなみに、住民登録について、オーストリアではよく「Meldezettel(メルデツェッテル)を申請して…」なんていう言い方をします。Meldezettelは“住民票”という意味で使われており、日常生活でもよく使われる単語です。
2001年の法改正前までは実際、住民票=Meldezettel という意味で使われていましたが、現在の法律では、正しくは 住民票=Bestätigung der Meldung(または Meldebestätigung) です。
なので、住民登録手続きが済み、ようやく手にした住民票に目をやると、「あれ!? Meldezettelって書いてないよ!?? Bestätigung der Meldungって何!?」と、ちょっとだけもやもやした気持ちになりますが、Bestätigung der MeldungでばっちりOK、ちゃんと手続きできていますのでご安心ください。
以前、住民票の意味で使われていた“Meldezettel”の単語は、今は、正しくは“住民登録申請用紙”の意味で使用されています。ページ上部に貼った写真に“Meldezettel”と書いてありますよね。これは、住民登録申請用紙の写真だからです。
いずれにしても、“法律的には”という話ですので、日常生活では「Meldezettel、必要ですか?」=「住民票、必要ですか?」の意味で理解してもらえますので、住民票=Meldezettelと覚えていても問題はありません。
※ たまに質問されたのですが、当記事で書いている住民票というのは、ビザや在留許可と呼ばれるものとはまったく別物です。
ビザや在留許可についての詳細は、関連記事<オーストリアへ渡航・滞在するー日本人はビザなしで6ヶ月滞在OK!に関するあらゆる疑問にお答えします!>をお読みください。
目次
住民登録 – 転入する場合
新居に入居してから3日以内に住民登録を済ませる必要があります。
“賃貸契約書にサインしてから3日以内”などではなく、実際に入居してから3日以内です。
やむを得ない理由で申請が数日遅れてしまった!という場合も、できるだけすぐに登録を済ませるようにしましょう。
住民登録を怠ったまま放置していると、法律的には罰金が発生してしまうんですよね。その額なんと726ユーロ!
ですので、ここは速やかに登録を済ませてしまいましょう。
登録に必要なもの
- 所定の申請用紙(Meldezettel)
→ ダウンロード用PDFファイル(オーストリア行政ヘルプサイト)
申請用紙は、お役所にも置いてあります。
用紙最下部の所定欄に、大家さんのサインが必要になります。忘れずもらっておきましょう。
この用紙はウィーン市内限定ではなく、オーストリアのすべての地域で使用できます。
- パスポート: パスポートは見せるだけですので、その場ですぐに返却されます。
- 戸籍抄本(または 戸籍謄本)の原本 ※認証翻訳付き
↑ 2019年から追加されました!出生証明書代わりの書類として提出します。
必ず原本を提出してください。その場でスキャンされ、返却されます。
※登録料はかかりません。
申請用紙(住民登録用)の記入例
申請用紙(住民登録用)に記入する際は、下を参考にしてみてください(クリックすると、大きく表示されます)。
届け出先
ウィーン市内に住んでいる場合、居住区に関係なく、ウィーン市内のどの区役所でも登録することができます。
各区役所の所在地については、こちら(ウィーン市ウェブサイト)でご確認ください。
窓口受付時間
月・火・水・金曜: 8:00~13:00
木曜: 8:00~17:30
土日祝日はお休み。また、聖金曜日(復活祭前の金曜日)、クリスマス・イブ(12月24日)、大晦日(12月31日)のみ、受付時間は8:00~11:30に短縮されます。
ウィーン市以外での届け出先は、各地のお役所が担当しています。こちら(オーストリア行政ヘルプサイト)から住民登録ができる各地のお役所が検索できます。
届け出方法
(以下は、ウィーン市内の区役所での届け出方法ですが、その他の地域でも大差はないかと思います。)
区役所の《Meldeservice》という課で住民登録をします。
区役所内の《Meldeservice》という案内に沿って進むと、日本の銀行にあるような(形はちょっと違いますがシステムは同じ)受付番号札発券機が置いてありますので、番号札を取って待ちましょう。発券機には4つほど発券ボタンが付いているかと思いますが、《Meldeservice》ボタンを選びます。
待合室に設置されているテレビ画面に、順次、受付番号と担当窓口番号が表示されていきますので、自分の番号が表示されたら、指定された窓口へ行きましょう。
上記3つの提出書類(申請用紙、パスポート および 戸籍抄本<または戸籍謄本>)を元に、区役所の方がその場ですぐに(本当に目の前で)住民票(正式名称: Bestätigung der Meldung)を作成し手渡してくれます。
住民票を受け取ったら、記載内容に間違いがないかその場ですぐに確認しましょう。パスポート番号や住所など、かなりの確率でタイプミスが見つかることがあります。
住民票は、引越し荷物の通関や銀行口座開設の際など様々な場面で必要になりますので、なくさないよう大切に保管しましょう。
住民登録に関するワンポイント
窓口が混んでいると、待ち時間が1時間以上になるなんてこともありました。そんなに長く待てないという方は、窓口の混雑状況をライブで確認できるというハイテクな(笑)サービス(こちら – ウィーン市ウェブサイト)もありますので、それを元に比較的空いていそうな区役所を訪ねてみるのも手です。
★★
ご家族で住まれる場合は、ご家族の皆さんそれぞれが住民登録し住民票を受け取る必要があります(18歳未満のお子さんの場合は、親がサインをします)。
申請用紙に大家さんのサインが必要になるのは、いわゆる“家長”の方(=住宅の賃貸契約書にサインをしている方)のみなので、それ以外の方は大家さんのサイン欄に家長の方がサインをすればOKです。
★★
大家さんのサイン欄については、
- 登録住所が自分の“持ち家”という方は、大家さんの欄に本人自らがサインをします。
- 大家さんに家を借りている方は、文字通り大家さんにサインをもらいます。
- 大家さんから家を借りて住んでいる借家人(Hauptmieter)が、共同生活者(Mitbewohner / Untermieter)にさらに一部屋を貸す、という場合がありますよね。いわゆるWG(Wohngemeinschaft / 共同生活)のようなケースですね。
その場合は、借家人が、共同生活者の申請用紙の“大家さんサイン欄”にサインをします。
★★
ご本人が区役所に出向けない場合、代理の方が住民登録の届け出をすることも可能です。その際も、申請用紙には申請者ご本人がサインをし、またパスポート・戸籍抄本(または 戸籍謄本)も代理人の方にお預けください。パスポートのコピーでは住民登録ができませんので、ご注意ください。
転出届 – 転出する場合
引越し先がオーストリア国内の場合は、お役所に改めて転出届を提出する必要はありません。新しい引越し先で上記の住民登録を済ませることで、自動的に古い住所からは転出したという扱いになります。
転出届が必要になるのは、日本に帰国する場合など、オーストリア国外へ引越す場合です。住居を出る期日の前後3日以内に、届け出を済ませましょう。
転出届の場合も、上記住民登録の際に使用したものと同じ申請用紙を使います(ダウンロード用PDFファイル – オーストリア行政ヘルプサイト)。
提出書類(申請用紙 および パスポート)、届け出先、届け出方法、代理人による届け出も可という点など、すべて上記住民登録と同じです。
転出届の場合、住民登録の場合と違い、“大家さんのサイン欄”にサインは必要ありません。自分の欄にのみサインすればOKなので、これは楽ちんですね!
申請用紙(転出届用)の記入例
申請用紙(転出届用)に記入する際は、下を参考にしてみてください(クリックすると、大きく表示されます)。
関係リンク
ウィーン市ウェブサイト<wien.at>
オーストリア行政サイト<oesterreich.gv.at>
おわりに
必要な提出書類がそろっていれば、窓口で何かを訊かれたり質問されたりということもなく、難しい手続きではありません。ものの10分足らずで終わってしまいます(まぁ、待ち時間は若干ありますが…)。
ビザのように却下されたり、なんか怒ってる?みたいな対応をされることも(たぶん 笑)ないと思いますので、安心して手続きに行ってみてください!
オーストリアで初めて手にする公的書類に、じわじわと達成感が湧いてくることと思います。
なお、お役所関係の規定はよく変わりますので(窓口受付時間など要注意。2019年には提出書類も追加されましたし)、手続きの前には一度、上記関係リンク先の内容をご確認ください。
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