駐在先がウィーン(オーストリア)に決まり、生まれたばかりの赤ちゃんを連れて、いざウィーン(オーストリア)へという方、あるいは、ウィーン(オーストリア)滞在中に赤ちゃんが生まれたという方、たくさんいらっしゃることと思います。
私の周りにも赤ちゃん&小さなお子さんがあふれていますが ^^、勝手のわからない土地で何より心配なのは、子供が病気になった時、ちゃんとした医療が受けられるのか、すぐに診てもらえ、治療してもらえる医療システムが整っているのか、ですよね。
オーストリアの医療システムは、日本のものとは大きく異なっているため、最初はちょっと戸惑います。
こんなシステムで成り立つのか、手遅れになってしまわないのかなど心配になりますが、いえいえ、大丈夫です!
このシステムのために大変なことになった…などの話はもちろん聞きませんし、慣れると却って合理的で便利に思えてきたりもします。
また、オーストリアは医療システムが日進月歩で進化しているという印象があり、ほんの2-3年前に書いた本記事でも内容を全面的に書き直さないといけないというほど、日々より便利で使いやすいシステムへと改善が図られています。
今日は、小さなお子さんをお持ちのママさん・パパさんのために、ウィーン(オーストリア)で子供が病気になった場合の対応について、順を追って説明していきたいと思います。
なお、本記事を読まれるにあたって、オーストリアの基本的な医療システムについて事前に理解しておくと、内容がわかりやすくなるかと思います。
オーストリアの基本的な医療システムについては、下の関連記事を参考にしてみてください。
まず、小児科医を探しましょう
まず、ご自宅に近い場所だと便利かと思いますが、お子さんのかかりつけとなる小児科医を探しましょう。
近年は小児科の保険医不足が深刻な社会問題となっていて、小児科の保険医の予約が取れない、あるいは、新規患者の受付は新生児に限る、としているような保険医もありますので、余裕をもって探しておくのが安心です。
医師の探し方については、上にも書きました関連記事<オーストリアは医療費が無料です ー オーストリアの基本的な医療システム と 医師の探し方>内に詳細に説明してありますので、参考にしてみてください。
私の周りだと、お子さんが小学校に入学した辺りから、いわゆる“一般医”に連れて行っている、という方も結構います。
上に何度か書いています 関連記事 内でもご説明している“一般医”ですね。
とりあえず、どんな症状であっても最初にお世話になる予約の必要がない“一般医”、日本で言う“家庭医”のような存在ですが、その普通の“家庭医”に6歳ぐらいから通わせてしまう、という訳です。
数の多い一般医は、小児科より近く、行きやすい場合が多いというのもありますし、何より予約の必要がなく、気軽に行けるというラクさがあります(その分、待ち時間が相当長くなる場合も多いですが…)。
そう、小児科にかかるために何より心配になってくるのが、この“完全予約制”というシステムなんですよね…。
“今熱出して苦しそうなのに、予約必須って何!?予約なしでも受診可能みたいなオプション皆無なの??”という気持ちになります。
ただ、このシステムも、慣れると理にかなっているというか、ほぼ何も不自由を感じることなく利用できています。
下に、”子供が熱を出した”というシチュエーションを例に、どのような手順でお医者さんに診てもらうのか、書いてみたいと思います。
小児科医 あるいは 救急外来、どちらを受診する?
下の例は、生後3ヶ月以上経った乳幼児の場合として書いています。
一般的に、生後3カ月未満で、38℃以上の発熱があったときはすぐに病院へ、と言われていますし、ここでは“病気に対する対処法”ではなく、“医療システムの利用方法”について書いていますので、小児科医(町の診療所、といった感じですね)の受診で済みそうか、あるいは総合病院の救急外来を受診すべきかは、ママさん・パパさんが注意深く様子を見られて、適切にご判断くださいね。
ケース 1: 小児科医を受診する
① 子供が発熱。39度以上など、ずいぶん高熱になってきて苦しそう。
↓↓
② 様子見。高熱は夜中に出る場合が多いですので、例えば朝まで様子見。
↓↓
③ 朝になっても熱が下がらず、変わらず苦しそうな場合は、8時前ぐらいの早朝、とにかくできるだけ早く小児科に予約。
予約は電話のみ、となっている場合は、開院時間になったらすぐに電話を入れてみてください。
予約方法はお医者さんそれぞれで異なりますので、確実な予約方法を事前に聞いておくといいですね。
私の場合は、早朝(あるいは、開院時間前)までにメール予約を入れれば、その日のうちに診てくれるお医者さんがほとんどで、予約が取れなくて困ったという経験は幸いありません。
ただ、万が一予約が取れなかった場合、関連記事 でご説明しています“四半期(3ヶ月)ルール”がありますので、簡単に他の小児科医を当たってみる…という訳にはいかないところが、日本と大きく違う点ですね。
★ 四半期<3ヶ月>ルールとは ★
一度決めた(訪ねた)一般医(小児科を含む)は、この1四半期の間は変更することができません。四半期はそれぞれ、1月~3月、4月~6月、7月~9月、10月~12月に分けられています。
(※上記の通り変更不可となるのは、公的保険を適用する場合です。Wahlarzt や Privat の小児科医で 診療代を全額自費で支払う、あるいはプライベート保険を適用する場合はこの限りではありません。)
専門医については、1四半期の間に、分野の異なる3診療所(=専門医)まで受診可能。
歯科医については特に何も定められておらず、1四半期の間に複数の歯科医を受診することも可能です。
↓↓
④ 小児科の予約が取れなかった!
A) バリエーション1: 待つ
小児科の予約がいっぱいなため、翌日(予約日)まで待つ(=待つ余裕がある)。
“待つ余裕がある”というのは、熱はあるが比較的元気で食欲もままある、咳や鼻水など一般的な風邪の症状(呼吸も苦しそうではない)、軟便(水下痢ではない)などの場合です。
B) バリエーション2: Wahlarzt に予約を入れてみる
“四半期<3ヶ月>ルール”があり、他の保険医を受診するのが難しいため、自費でWahlarzt(あるいは Privat)の小児科医を探します(診療代の目安: 1診療につき100~150ユーロ)。Wahlarzt(Privat)は保険医に比べ、予約が取りやすいです。
C) バリエーション3: 小児科の応急外来診療所<Erstversorgungsambulanzen (EVA) & Kinder-Notdienst (KiND)>を受診する
明日の小児科医での診察まで待つつもりだったが、症状も軽くは見えず、やはり今日中に診てもらいたい。ただ、すぐに病院の救急外来にかけつける必要があるかと言われると、そこまで重症でもないような…というような場合。
その場合は、Allgemeines Krankenhaus<AKH>内に設置されている Kinder-Notdienst (KiND)、
あるいは、St.-Anna-Kinderspital 内に設置されている Erstversorgungsambulanzen (EVA) を訪ねるのがよいかと思います。
Allgemeines Krankenhaus<AKH>はオーストリア最大規模の総合病院、St.-Anna-Kinderspital は小児総合病院として、ウィーンで大変有名な病院ですが、上記 Kinder-Notdienst (KiND) も Erstversorgungsambulanzen (EVA) も、 その病院内にありながら 病院直属の施設という訳ではなく、他機関(141 – 医療無線サービス)が管轄する診療所となっています。
なんらかの理由で かかりつけの小児科医に診察してもらえない場合の“応急”診療となりますが、もし病院での救急診療が必要なほど重症と判断された場合は、すぐにそちらへ回してもらえます。
この、応急外来診療所は近年始まった医療サービスですが、ここを訪ねる患者さんの60~80%は病院の救急外来での診療は必要なく、この応急外来診療所での処置でOKだったそう。
その分、重症患者が数多く訪れる病院の救急外来側の負担も、また患者さん側の待ち時間も減らせ、双方にとって有益なサービスとなっているそうです。
参考サイト: 141wien.at – Erstversorgungsambulanzen (EVA) & Kinder-Notdienst (KiND)
AKH KiND
1090 Wien, Währinger Gürtel 18-20
月曜~金曜: 08:00~23:00
土曜・日曜・祝日: 08:00~23:00
St. Anna Kinderspital
1090 Wien, Kinderspitalgasse 6
月曜~金曜: 15:00~22:00
土曜・日曜・祝日: 10:00~22:00
ケース 2: 救急外来を受診する
① 子供が発熱。39度以上など、ずいぶん高熱になってきて苦しそう。
- 生後3カ月未満で、38℃以上の発熱がある。
- 38℃以上の高い熱が出て、頭が痛いとか、吐くなどの症状がある。
- 意識がもうろうとしている。
- 苦しそうに呼吸をしている。
- ひきつけを起こしている。
など、明らかに症状が重い場合は、週末・夜間を問わず、すぐに小児科救急外来(Kinderambulanz)を受診します。
つまり、“確かに高熱だけれども、救急外来を訪ねるほどではない”と思われる場合は近所の“小児科”、あるいは“応急外来診療所”へ。
小児科の予約を待っている余裕はない、緊急の処置が必要と思われる場合は、すぐに“総合病院の救急外来”へということになりますね。
実際、小児科でも、「予約を待てないほど重篤と思われる場合は、すぐに直接、救急外来を受診してください」と言われますし、小児科の診察で大丈夫な場合と、救急外来での処置が必要なほど緊急の場合とでしっかりと住み分けがなされているというのが、オーストリアの医療システムの大きな特徴と感じています。
週末・祝日に診察してもらいたい場合は?<ウィーンの場合>
小児科医で診てもらう
参考サイト: Ihr Kind ist krank
参考サイト: Kinderambulanzen in Wien
週末・祝日にお医者さんに診てもらいたい、という場合、ウィーンでは2019年1月5日より新しいサービスが始まっています。
ウィーン市内の3つの小児科医(季節によって、2つになったり4つになったりしますが)が、週末・祝日も診療を受け付けてくれるというサービスで、診療時間は 10:00~15:00 となっていますが、平日と同じように子供の診察をしてくれます。
当日対応している小児科医は、こちらの ウィーン医師会のリスト<Wochenend- und Feiertagsdienste Kinderordinationen – Ärztekammer für Wien>で確認できます。
見やすいポスター版は こちら(Folgende Kinderarztordinationen haben auch am Wochenende für Sie geöffnet!)。
週末・祝日に診察してくれる Wahlarzt のリストは、こちらに別枠で掲載されています(診療代がかかります)。
上記いずれも、事前に電話予約が必要です。
また、以下2つの小児外来クリニックでも、週末・祝日の診療を受け付けてくれます。
Kindermedizinisches Zentrum – KIZ Augarten
Pazmanitengasse 12/EG, 1020 Wien
Tel: +43 1 216 09 19
Email: office[at]kizaugarten.at
Kindermedizinisches Zentrum – KIZ Augarten
土曜・日曜、祝日: 09:00~13:00
※上記は2023年3月に確認した診療時間です。
この病院に限ったことではないですが(この病院は特に診療時間が頻繁に変更されますが…、2年前に記述したものと、なんと住所まで変わっていました!)、病院の診療時間は本当にころころ変わりますので、病院を利用する場合はその都度ウェブサイトで確認してみてください!
Kinderambulatorium Margareten
Siebenbrunnenfeldgasse 7, 1050 Wien
Tel: +43 1 544 44 45
Email: info[at]kinderambulatorium.com
Kinderambulatorium Margareten
土曜: 09:00~13:00
日曜: 10:00~15:00
祝日: 09:00~13:00
※上記は2023年3月に確認した診療時間です。
この病院に限ったことではないですが、病院の診療時間は本当にころころ変わりますので、病院を利用する場合はその都度ウェブサイトで確認してみてください!
上記小児科医 & 小児クリニックは、子供がインフルエンザでひどく辛そうにしているが、救急外来を訪ねるほど重症では…というような場合に、とても心強いサービスです。
応急外来診療所で診てもらう
上記<小児科の予約が取れなかった!>場合の、<C) バリエーション3: 小児科の応急外来診療所(Erstversorgungsambulanzen (EVA) & Kinder-Notdienst (KiND)を受診する>でご紹介した診療所は、もちろん週末・祝日にも受診することができます。
参考サイト: 141wien.at – Erstversorgungsambulanzen (EVA) & Kinder-Notdienst (KiND)
AKH KiND
1090 Wien, Währinger Gürtel 18-20
月曜~金曜: 08:0~23:00
土曜・日曜・祝日: 08:00~23:00
St. Anna Kinderspital
1090 Wien, Kinderspitalgasse 6
月曜~金曜: 15:00~22:00
土曜・日曜・祝日: 10:00~22:00
治療に急を要すると思われる場合は?<ウィーンの場合>
すぐに小児科救急外来(Kinderambulanz)を受診しましょう。
以下は、夜間・休日も受け付けてくれる小児科の総合病院ですが、どの病院も24時間対応という訳ではありません。
その都度、診療時間内かどうか、リンク先でご確認ください。
夜間・休日の総合病院は患者さんで大変混み合っており、重症と判断されない限り、ずいぶん長時間待たされたりします。重症と思われる場合は、迷わず救急車(Tel: 144)に連絡をしましょう。
参考サイト: Kinderambulanzen in Wien
St.-Anna-Kinderspital
Notfallambulanz
1090 Wien, Kinderspitalgasse 6
Tel: +43 1 401 70-2100(つながらない場合は、センターの番号< +43 1 40170-0>へ)
※小児総合病院として、ウィーンで大変有名な病院です。
私の周りも、緊急の場合はここを訪ねた、子供の手術はここで受けた、という人が多いです。
通常の診療時間は、月曜~金曜: 8:30-12:00、「緊急時は24時間対応」とも明記されていますので、覚えておくと安心な救急外来です。
下記『Allgemeines Krankenhaus AKH』とは位置的にも近く、外科的治療が必要と判断された場合(いわゆる外傷ですね)は、『St.-Anna-Kinderspital』から『AKH』へ移送されるそうです。
【2023年3月追記】
コロナの影響で(入院患者さんを守る目的もあり)、一般の診療を縮小しているそうです。
以前から当病院の患者だった、という場合以外は、別に記載の病院へ行くよう注意書きがされていますので、上に貼ったリンク先の内容をよくご確認ください!
Allgemeines Krankenhaus AKH – Ebene 5(5階)
Universitätsklinik für Kinder- und Jugendheilkunde – Kliniken am Südgarten
24-Stunden-Notfallambulanz
1090 Wien, Währinger Gürtel 18-20
Tel: +43 1 40400 – 32290
※オーストリア最大規模の総合病院。ヨーロッパでも5本の指に入る大規模病院です。こちらも24時間対応。
Wilhelminenspital
Klinik Ottakring
Kindernotfallambulanz – Pavillon 40
1160 Wien, Flötzersteig 4
Tel: +43 1 49150-2908
※外科(いわゆる外傷ですね)、歯科、眼科系は他病院へ移送されます。24時間対応。
Donauspital – Sozialmedizinisches Zentrum Ost
Klinik Donaustadt(※2020年に病院名変更)
Ambulanz für Kinder- und Jugendheilkunde – Ebene 4
1220 Wien, Langobardenstraße 122
+43 1 288 02 – 4350
※24時間対応。
Sozialmedizinisches Zentrum Süd – Kaiser-Franz-Josef Spital mit Gottfried von Preyer’sches Kinderspital
Klinik Favoriten(※2020年に病院名変更)
Ambulanzen der Kinder und Jugendabteilung – Mutter-Kind und OP Zentrum
1100 Wien, Kundratstraße 3
Tel: +43 1 601 91 – 2850
※問い合わせ内容により、電話番号の内線が様々に変わります。詳しくは、上記リンク先からご確認ください。
※小児科専門として、こちらも大変有名です。
元々、10区の別の場所(Schrankenberggasse)にあった小児病院ですが、2016年に Kaiser-Franz-Josef Spital Klinik Favoriten(総合病院)の敷地内に移転しています。こちらも24時間対応。
Krankenhaus Nord
Klinik Floridsdorf(※2020年に病院名変更)
Notfallambulanz für Kinder- und Jugendheilkunde – Ebene 1 B
1210 Wien, Brünner Straße 68
Tel: +43 1 27700 2660
※24時間対応。
Krankenanstalt RudolfstiftungKlinik Landstraße(※2020年に病院名変更)※閉鎖Allgemeine Ambulanz für Kinder und Jugendliche1030 Wien, Juchgasse 25※上は本館の住所です。小児科の入口は、脇に入った Boerhaavegasse 13, 1030 Wien です。Tel: +43 1 711 65-2611
※24時間対応ではありません!診療時間は、月曜~金曜: 8:00-15:00(患者さんの受け入れは 14:00 まで)。週末・祝日は閉まっています。また、1ヶ月の夏休みなんていうお休みもありますので、ウェブサイトは要チェックです!
Ärztefunkdienst (141) 医療無線サービスに電話する
この、Ärztefunkdienst(エルツテ フンクディーンスト)- 医療無線サービス というのは、知る人ぞ知る、とても便利なサービスです。
参考サイト: Ärztefunkdienst(医療無線サービス)
一般的な診療所が閉まっている曜日・時間帯に電話をかけると、適切な治療方法をアドバイスしてくれたり、必要に応じて自宅まで往診に来てくれたりします。オーストリアの公的保険に加入していれば、治療代・往診代もすべて無料。1歳未満の赤ちゃんには利用できませんが、子供に限ったサービスではなく、大人も利用できます。大人でも週末にインフルエンザになって、相当マズい感じ、動ける気がしない、なんていう時に心強いサービスです。
対応時間は、19:00 ~ 7:00 までのいわゆる夜間。
週末は金曜 19:00 ~ 月曜 7:00。祝日は24時間対応してもらえます。
12月24日・12月31日も対応。
ドイツ語が必要だと思われるのと、1歳未満は利用不可というネックはありますが、覚えておくといざという時に安心なサービスですね。
1歳未満の赤ちゃん、1歳以上であっても、下痢・嘔吐・呼吸困難・意識障害・やけど・事故など、重篤な症状がある場合は、この 141 に電話をかけるのではなく、速やかに小児救急外来を受診、あるいは救急車(Tel: 144)を呼びましょう。
※オーストリアの全州対応ではありません。
無料の健康相談ホットライン 1450
Wenn’s weh tut! – 1450 ※ウィーン市版
Wenn’s weh tut! – 1450 ※オーストリア版
子供の具合がひどく悪そうだが、今何ができるのか、どこを訪ねたらいいのかわからない!という場合などに、とても便利なサービスです。
私もまだ利用したことがないのですが、2019年から本格的な導入が始まった新しいサービスで、「24時間365日、電話をすれば、現在患っている症状への適切な処置方法のアドバイス、今すぐに行ける近場の診療所・病院・薬局(診療時間 or 営業時間なども考慮に入れながら!)などの紹介をしてくれて、必要な場合は、救急サービスとも連携して連絡を取ってくれたりする」と言った、そんなサービスだそうです。
本当に切羽詰まった緊急という場合は、やはり救急車(Tel: 144)を呼ぶのが先決かと思いますが、若干余裕がありそうで、なおかつドイツ語でも問題がないという場合は、覚えておくと心強いサービスですね。
子供に限ったサービスではなく、大人でも使えます。
1450のウェブサイトには、“こんな場合は電話してね”の例として、「子供がハチに刺されたようで、ひどく腫れている」「1時間ほど前からお腹がゴロゴロ…、痛みが激しさを増してマズい感じ」「頭が割れそうにガンガンする」「運動後、背中がズキズキと激しく痛み出した」「突然の寒気と関節の痛み、気分がどんどん悪くなる」などなどが載っていますね。
こんな至れり尽くせりなサービスですが、無料で利用できます。
2019年の導入当初は、“便利そうなサービスができたなー”ぐらいの軽い感じで見ていた この1450ホットラインですが、2020年に始まったコロナ禍で思いがけず大活躍、なくてはならない命綱のようなホットラインとなりました。
2019年9月現在、サービスが開始されているのは、Wien州、Niederösterreich州、Oberösterreich州、 Steiermark州、Vorarlberg州で、それ以外のBurgenland州、Salzburg州、Kärnten州、Tirol州でも2019年以内を目途に、順次サービスが開始される予定だそうです。
週末に歯が痛くなった場合は<ウィーンの場合>
下記 電話番号に電話すると、治療を受けられる歯科情報を教えてもらえるそうです。
(これは私見ですが、「歯が痛い!」と歯科の救急病院を訪ねると、結構すぐに“抜く”という選択をされてしまうことが多いのでは…と経験上感じています。
すぐには抜きたくない、他の方法も考えてみたいという場合は、その旨をはっきり伝えられるよう準備をしておくとよいかと思います。)
参考サイト: Ihr Kind ist krank
+43 1 512 20 78
土曜・日曜・祝日: 09:00 – 18:00
おわりに
“子供が病気になった場合”を想定して、私が知っている範囲の、調べた限りの情報を書いてみました。
診療時間などは予告なくころころと変わりますし、問い合わせ先の電話番号(時には住所まで…)、また近年は診療システム自体も大きく変わり、当記事内容の更新が追い付いていないところもあるかもしれません。
親御さんにとって大事な情報ですので、もし誤り・ミス・古くなった情報などを見つけられた方は、ご連絡 をいただければ嬉しいです。
小児科に予約を入れる際の注意点として、子供に発疹が出ている場合は予約の時点で知らせておく、というのが大事ですね。
発疹が出ている場合、感染力の強い病気の場合が多いということで、一般の入口とは別の入口・待合室が用意されていることが多いです。
そのため、「発疹の際には必ず事前に伝えてください、別の入口から入ってください」とよく言われます。
逆に言えば、こういった感染力の強い患者と一般患者とで分けられている診療所・病院は、それだけよく配慮されていて、信頼ができるとも言えるかと思います。
情報はできるだけ間違いがないよう細心の注意を払って書いていますが、医療分野の専門家ではありませんため、情報の不足・誤りなどがあるかもしれません。当サイトの情報を利用されたことによる、いかなる問題・損失・損害についても責任を負いかねますので、どうぞご了承ください。“参考までに”というスタンスでお読みいただき、ご利用は自己責任でお願いいたします。
記事内には、主に参考にしたサイトのリンクも貼っておきましたので、ご利用される前に最新情報をどうぞご確認ください。