カフェやレストランには、“その国独自の(暗黙)ルール”がありますよね。
ここオーストリアでも、最初はちょっとびっくりするような「オーストリア・ルール」がいろいろあります!
- 日本のように<無料のお冷が出てこない>という“基本の基”から始まって、
- 店員さんに「すみませーん!」と大きな声で呼びかけたら、周りから「ぎょっ👀」と見られたり、
- アイスコーヒーをガブガブ飲みたいと注文したら、まさかの“アイスクリーム in エスプレッソ”が登場したり…🍦☕
そんな、ちょっとびっくり&楽しい「日本とは違うオーストリアの食文化」✨
この記事では、オーストリアのカフェやレストランをもっと快適に楽しむための13のポイントを、やさしくまとめました。
旅行前の予習にも、現地でのちょっとした困りごとの解決にも、ぜひお役立てください😊
レストランやカフェでは「コート掛け」を使おう🧥
オーストリアのレストランやカフェには、たいてい「コート掛け」が用意されています。
寒い季節に厚手のコートを着ている時は、席につく前にそこへかけるのが一般的なマナー❄️

ただし、日本のコートにはコート掛け用のループ(ひも状の輪)がついていないことが多いですよね。
そんな時は、首のタグ部分を引っかけたり、フードを使ったりして、うまく掛けてみましょう🧥
もし店内が空いていて、座席に十分なスペースがあれば、無理にコート掛けを使わず、
イスの背もたれにかけたり、自分の席に置いたりしてももちろんOK🪑👍
「掛けておいたコートが盗まれた」という話はほとんど聞きませんが、ポケットの中に貴重品を入れたままにするのは絶対にNG⚠️
イスに掛けたコートのポケットから抜き取られるケースもあるので、財布やスマホなどは必ず手元に置いておきましょう👛📱
レストランでは「お冷」は出てこない?🍽
オーストリアのレストランでは、日本のように無料でお水(お冷)が出てくることはほとんどありません🚰
こちらでは、食事の前に飲み物を注文するのが基本スタイル🍹
お店に入って席に着くと、メニューを開く前に「お飲み物は何にされますか?」と聞かれることもよくあります😲
最初はちょっと戸惑うかもしれませんが、慣れてくると、どのレストランでも扱っている飲み物はだいたい似ているので、自分のお気に入りを決めておくと、スムーズに注文できるようになりますよ🍷👍
もちろん、もしメニューを見る前で飲み物を決めかねている場合は、
「まず、メニューを見せていただけますか?」
👉 ドイツ語: Könnte ich bitte die Karte haben?
👉 英語: Could I please have the menu?
と伝えても全く問題なし😊
カフェやレストランでの水の注文の仕方についてなど、オーストリアの「水事情全般」について さらに詳しく知りたい方は、下の記事もチェックしてみてください!

食事の順番 🍽️
オーストリアのレストランでは、「パン → スープ・前菜 → メインディッシュ → デザート」の順番で料理が運ばれてきます🧆
パン 🥨
オーストリアのレストランでは、「えっ、注文した覚えないのにパンが出てきた!?」ということがたまにあります。
布ナプキンが使われているような、いわゆる「高級レストラン」でよく見かけます。
パンには、次の2パターンがあります🥖:
- パンは有料で、食べた分だけ料金が加算されるレストラン
- パンはテーブルチャージ(席料・サービス料)に含まれているレストラン
テーブルチャージ(ドイツ語で「Gedeck」)は席料やサービス料のことです。通常、1人あたり4〜5ユーロほどが請求されます💶
テーブルチャージがある場合、メニューのわかりやすいところに「Gedeck 4,80 pro Person(一人分4.8ユーロ)」などと案内があります。
この自動的に出てくる日本の「お通し」のようなパンは、バターやチーズスプレッド(塗るチーズ)と一緒に出されることも多いです🥯

チーズスプレッドが何かわからず、「このクリームみたいの、何かなぁ…?」とフォークで食べようとしていた友達もいたので、“パンに塗って食べるもの”というのも覚えておいてくださいね~😊
パンはメインディッシュが終わるまで片付けられませんので、「前菜がくる前に食べきらなきゃ!」と焦らなくて大丈夫です⏳
スープ・前菜 🍲
オーストリアのレストランは、日本に比べると料理の量がボリューミー。
スープや前菜まで頼むとお腹いっぱいすぎ~😵という方も多いかと思いますが(私もです!🐧)、
ランチメニューなどには、スープが(注文しなくても)一緒に付いてくることも多いです🍲
オーストリアのレストランでは、「スープが終わってからメインディッシュ!」という順番はまあまあ厳格。
スープが飲み終わるのを見届けてから👀、メインディッシュが出てきます。
ちなみに、アジア系のレストランであっても、この「スープが終わってからメインディッシュ」ルールが適用されていて、メインが出てくる前にお味噌汁を飲み干さないといけない…というような〝意味不明な”事態もしばしば…😅
(ちなみに、お味噌汁はスプーン飲みです…🥣😉)
ただ、超絶厳格という訳でもないので、時間的にそろそろメインを…という頃になれば、お味噌汁が残っていたとしてもメインを提供してくれたりしますので、よっぽどの高級レストランでもない限り、そこら辺は臨機応変です。
メインディッシュ 🧆
スープも同様ですが、(スープを)ズルズルとか、(お肉を)クチャクチャとか、(食器を)ガチャガチャとか、音を立てて食べるのはNG🔕
また、口にものが入ったまましゃべる…というのも限りなくアウト😕
たぶん私たちが想像する異常に、ずいぶんと嫌がられる & 驚かれるようです。
…あとは気楽に楽しく!🍻
食後のナプキンの置き方も意外と大事。
ナプキンはきれいにたたみすぎず、かといって、超ぐちゃぐちゃにも丸めず、適度に軽くたたんで机の上に置いておきましょう。
ここら辺は、他のヨーロッパの国々でも同様のマナーですね。
デザート 🍰
もしデザートを頼みたい場合は、食事が終わった後にもう一度メニュー(または デザートメニュー)をもらって注文します🍮
(お願いしたいデザートがもうわかっていれば、もちろんメニューはもらわなくても大丈夫😉)
注文したいのに、なかなか店員さんが来ない!?🤷♀️
「いざ注文しよう!」とメニューを開いて待っているのに、店員さんがなかなか来てくれないこと、ありますよね。
その理由は、ズバリ「メニューを開いているから!」
日本だと、メニューを開いていたとしても、「あ、明らかにもう注文が決まって、店員さんを待っているところだな」って察してもらえる感じですが、
オーストリアでは、ザ・見たまんま。
「メニューを開いている」 =「まだ選んでいる最中」と受け取られてしまいます📖
だからといって、メニューをしっかり閉じてしまうと、いざ注文する時に「どのページだったっけ!?」と焦りますよね。
日本のように写真の載ったわかりやすいメニューも(ほぼ)ありませんので、慣れない横文字の料理名を見つけるのも大変です。
こんな場合は、注文したいものが載っているページに指をはさみつつ、メニューは閉じて待つという方法がオススメ!
オーストリアの方々も、これをよくやっていますので😉
店員さんを呼びたい時、手の挙げ方に注意!✋
店員さんを呼ぶとき、日本の子供たちが教室で挙手する時のように、「腕を伸ばして、5本の指をそろえてピシっと!」は、オーストリアでは(ドイツでも、ですが)NG❌
これは「ナチス式敬礼」(またはヒトラー式敬礼)として知られているサインで、法律でも処罰の対象になっているんです。
じゃあ、どうするか?
手を軽く握って、人差し指を軽く立て、軽く頭の高さまで上げるという感じで呼びます。
初めは「…なんか私、気取った人みたいになってない…?💦」と気になりますが、慣れてしまうと日本でもやってたりします…👆😅


「すみませーん!!」も気をつけよう🙅♀️
日本の賑やかな定食屋さんで響く「すみませーん!」の声も、なかなか活気があってよいのですが、オーストリアでは「いったい何ごと!?」と悪目立ちしてしまいます⚠️
基本的に、オーストリアで店員さんを呼ぶ時は、以下の方法で静かめに呼びかけましょう✨:
- 店員さんが近くを通りかかるのを待つ
- 目が合うまで待つ
- 手を軽く挙げて店員さんが気づくのを待つ
どうしても急いでいるときは、直接店員さんに歩み寄って声をかけてもOKですが、基本的にはこの3つの<待つ>方法がベストです👍
注文も会計も、日本より時間がかかるものと心得て、それを見越した計画を立てておくと安心⏳
「オペラの開演までまだちょっと時間があるから、カフェで軽くお茶していこう」なんて時は特に、注文と会計にかかる時間もあらかじめ考慮しておくと安心です🎭
まだ食べている途中にお会計に来た!?💳
まだ食事の最中に、店員さんが「お会計よろしいですか?」とテーブルにやって来ることがあります😮
オーストリアでは、日本のようにレジでお会計をするのではなく、テーブルでお会計をするのが一般的なルールですが、それにしても「まだ食べてるのに…、もう出てかなきゃいけないってこと??」とちょっと焦りますよね。
でも心配はご無用。
これは、「私のフロア担当の時間が終わるので、担当しているお客さんのお会計を済ませてもよろしいですか?」という意味です💡
オーストリアでは、お客さんごとに専属の担当店員が決まっていて、その担当時間が終わるタイミングでお会計を持ってきます。

そんな時は店員さんも必ず、「すみません、でもまだゆっくりお食事いただいて大丈夫です」と一言添えてくれるはずです👍
なお、先にお会計を済ませてからしばらくゆっくりしていた場合でも、お店を出るときはそのままスッと出て大丈夫です😊
「けっこう前に払ったけど、このまま出ていいのかな…?」と不安になりますが、お支払いはきちんと済んでいますのでご安心を💳✨
レストランで食べきれなかったら?持ち帰りもOK!🍽️
オーストリアのレストランでは、日本よりもボリュームたっぷりな料理が提供されることが多いです💪
そのため、日本人にとっては、食べきれないことも少なくありませんよね。
そんな時は、気軽に「これ、持ち帰れますか?(Dürfte ich das mitnehmen? / Could I take this to go?)」と店員さんに聞いてみましょう。
たいていは笑顔で「OK!」と応じてくれて、残りを包んでくれるか、アルミホイル・ボックス等を渡してくれることがほとんどです。

食中毒などの心配から持ち帰りを断るお店も多い日本とは異なり、オーストリアでは問題なく持ち帰りができます🍴
「せっかくだし、あとでホテルで食べたいな~」という時には、この方法を活用してみてくださいね!
ただし、超高級レストランでは、遠慮しておいた方がいいかもしれません。
なんとなく直感でわかるかと思うのですが、「このゴージャスなシャンデリアの下で、アルミホイルガサガサとか ないわ~」みたいな感じです😅
平日のランチメニューはお得!🍽️
オーストリアの多くのレストランでは、平日のランチメニューがとてもお得💰!
メインにスープやサラダなどがついて、10〜13ユーロ程度でいただけます。
量はオーストリアサイズでたっぷり!
お昼にしっかりランチメニューを楽しんだら、夜は軽食で済ませても大丈夫…という感じです😊
実際、オーストリアやドイツでは、お昼に温かい料理をしっかり食べて、夜はハムやチーズ、パンといった冷たい食材を中心とした夕食 (= Abendbrot 夕方のパン)で軽く済ませる…という習慣があり、ずいぶん長く親しまれてきました🥖
最近では、ライフスタイルの多様化や外食産業の影響で、特に若い世代では、夜にも温かい料理を好む傾向が増えてきているそうですが、それでも「夕食はパンとハム、チーズで軽く済ませる」という人たちも私の周りにはまだ多いです🧀
夕方、子供を公園で遊ばせながら、「みんなまだ余裕で遊ばせてるけど、もう18時…。夕飯どうするんだろう…」とママ友さんに尋ねてみると、
「え~、まぁお腹すいたら、パンとかハムとか~」みたいな答えが返ってきがち(あくまで♡すめぺん♡界隈ですが)。
そんな時は、「手の込んだお弁当作って、結構しっかりメイクして、仕事行って、子供遊ばせて、夜は夜で何品も並ぶような夕食作ってる日本のママさんって(パパさんもいらっしゃるとは思いますが)、求められるものの量が違うよな…」と、ギュッと胸が締めつけられるような気持ちに…🥺

オーストリアは、手の込んだお弁当は作らないし、メイクしてないママさんの方が多いし、夜はパンとハムとチーズだし…。
残業もほぼなし、金曜はもう半分”週末”だし、有給は全消化が基本だし…😮(もちろん例外もありますが…)
朝食メニューの半熟卵、食べ方に気をつけて!🥚
ウィーン風の朝食<Wiener Frühstück>は、焼きたてのパンに自家製のスプレッドを塗り、新鮮なチーズやハムをのせて…と、とても優雅で美味しい朝のひととき✨
ですが、半熟卵の食べ方だけはちょっとしたコツが必要です!💡

半熟卵はエッグスタンドに立てて出てきますので、
まず、スプーンの丸い背の部分で、玉子の頭を軽くコチコチとたたいてヒビを入れます。
その後、指で殻をむきますが、卵の上から3分の1~半分くらいのところまでむくのがポイント🧐
黄身が“ほとんど液体”というほど とろとろで柔らかいので、あまりむきすぎると、確実に黄身が流れ出してしまいます😱
卵の上半分の殻がきれいにむけたら、下半分は「器」代わりとして使います。
ここにお塩を軽くかけて、スプーンで卵をすくいながら食べます🥄
オーストリアのアイスコーヒーでは、のどの渇きは止まりません🧊☕
20年前にはあまり見かけなかったアイスコーヒー(Eiskaffee)。
最近ではオーストリアの夏も暑くなり、カフェメニューに登場するようになりました(とはいえ、まだまだ日本の暑さには到底敵いませんが…😅)。
ただし!
オーストリアのアイスコーヒーは、まさに<アイスクリーム&コーヒー>🍦☕
冷ましたエスプレッソにバニラアイスクリーム&ホイップクリームが添えられて出てくるというかなり濃厚な飲み物で、のどの渇きは止まりません😅

日本でおなじみの、ガブガブ飲める真っ黒で透き通ったアイスコーヒーは、日本発祥とも言われているそうで、オーストリアではなかなか見かけません👀
暑い季節にどうしても、あの日本の黒く透き通ったアイスコーヒーが飲みたい!という方は、スタバやマックカフェといったインターナショナルなチェーン店系が唯一の選択肢かもしれません🥤
日本のアイスコーヒーに似たものがあります(下の写真を参照)。


…とはいえ、ここ数年オーストリアでも、液体部分を多めにした少しゴクゴク飲めるタイプのアイスコーヒーを出すお店も増えてきました。
ミルクやアイスクリーム、砂糖はたっぷり入っていますが、以前の<The エスプレッソ>よりはのどの乾きもそれなりに収まるかもしれません🥤😊
あるいは、「冷たいブラックコーヒーが飲みたいんですが~…🙏」とお願いしてみるのもアリ。親切なお店だと、特別に作ってくれたりもします😊
ウィーン風朝食に出てくる丸パン(ゼンメル)はどうやって食べる?🥐
オーストリアで一番食べられているパンは、ゼンメル(Semmel)と呼ばれる丸パンです🥯
外はカリカリ、中はふわふわで、オーストリア以外のドイツ語圏ではブレートヒェン(Brötchen)と呼ばれていますが、オーストリアのゼンメルの特徴は、星型のかわいらしい切り込みが入っているところ⭐
ウィーン風朝食にも必ずついてきますが、食べ方を知らないと、普通に指でちぎって食べちゃいそうですよね。
朝食でこのパンが出てきたら、ハンバーガーのバンズのようにナイフで水平に半分に切って食べるのがオーストリア流です🍴
上と下で2枚のパンにしてしまい、下の方には例えばスプレッド&ハム&チーズをのせて、上の方にはバター&ジャムを塗って…といった感じに、2回に分けて食べると、一回で2度おいしい✨のようなお得感が味わえます😊
もちろん、ハンバーガーと同じように、ハム&チーズをパンではさんで1回で食べてもOK👍
ナイフは、レストランで出てくるような、先の鋭くない、刃が少しギザギザになっているもので、(押し込むのではなく)前後にきこきこと引くことで簡単に切れますよ🔪


タバコは吸えません🚭
オーストリアでは、2019年11月から飲食店での喫煙が全面的に禁止されています❌
喫煙専用エリアも設けられていません🚷
ただ、夏限定で登場する「シャニガルテン」では喫煙OK💨
シャニガルテンとは、カフェやレストランに隣接して歩道や中庭に並べられる屋外テーブル席のこと。ヨーロッパの人たちは太陽を浴びながら過ごすのが大好きなので🌞、とても人気があります。

日本人の感覚だと、
「日に当たるとお肌が…」
「ジュースにハエ(or ハチ)が…」
「風でナプキンが~…」という感じで、
どちらかというと屋内席を選ぶ方も多いかもしれません。
でも近年のウィーンは夏場、相当暑くなりますし、まだクーラーのついていないお店もあって屋内は蒸し風呂状態ということも…。
そんな時は、シャニガルテン、おすすめです!☀️
まとめ
オーストリアのカフェやレストランにも、長い歴史と習慣の中で育まれた“食文化のルール”があります。
最初は少し戸惑うかもしれませんが、慣れてくると「これがオーストリアの食事スタイルなんだなぁ」と、文化の違いを楽しめるようになるはずです😊
マナーや仕組みをちょっとだけ知っておくだけで、現地での食事時間がぐっと快適に。
オーストリアならではのレストラン文化・カフェ文化を、ぜひゆっくり味わってみてくださいね☕✨
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