前回は、ドイツ・オーストリアの硬水と仲良くつきあっていくための第1弾として、
硬水と水の硬度、
各地域の硬度の調べ方、
自分がいる地域の硬度情報が とりあえず最初に必要になる場面
について見てきました。
今回は、
ドイツ・オーストリアで言う“カルキ”って…?
というところから始まって、
現地で生活をする中でとりわけ気になってくる カルキ問題を3つ を取り上げていきます!
今回扱うカルキ問題のキーワードは、「お茶に油膜!?」、「水回りが真っ白…」、「電気ケトルに石!?」です。
解決策には細かな注意事項なども書き添えてありますので、ぜひご一読ください!😊
硬水の“カルキ”対策・・・カルキって塩素???
「ドイツ・オーストリアの水は“カルキ”が多いから大変!」なんて言い方をよくしますが、この“カルキ”は石灰(ドイツ語では Kalk / カルク)を意味していて、水の中に含まれているカルシウムのこと。
塩素とは関係ありません。
一方、日本で「この水、“カルキ”臭いね!」なんて言い方をする時は、“塩素”(ドイツ語では Chlorkalk / クローアカルク)を意味するので、頭が混乱しますが、
ドイツのカルキ = 石灰
日本のカルキ = 石灰 + 塩素
と理解しておけばOKです!
★ 日本の“カルキ”とは ★
日本の“カルキ”は、ドイツのように石灰そのものではなく、石灰に塩素を吸収させて作った次亜塩素酸カルシウム(さらし粉、塩化石灰とも…)のこと。
この次亜塩素酸カルシウム(= 石灰 + 塩素)が、水道水の殺菌・消毒に使われ、独特な塩素臭=カルキ臭を放っていました。
水の殺菌消毒によく使われていた次亜塩素酸カルシウム(白い固体)= 日本のカルキ ですが、現在では 次亜塩素酸ナトリウム(液体)が主流となっているそう。
なので、「カルキ臭い」の語源となったカルキ(石灰)は、日本の水道水にはもはや含まれていないんだそうです。
“硬水”で起きる問題とその対策
カルキ問題① お茶がおかしい!
- お茶に油膜的なものが浮く。
- 紅茶の色が黒々としている上に白濁している。カップの中の水面回りに、茶色く茶渋のようなものが付く。
これは、私が最初にとにかく気になったこと…。
「なんでお茶に油浮いてるの…?」
「なんでお茶、赤くなくて黒いの?しかもなんか濁ってない??」
食器を洗ったスポンジが油まみれになってるのか?と思って、スポンジを新しくしてみたり、
食器洗い機にコップと一緒に入れるフライパンの油をあらかじめよく流してみたり、
紅茶のメーカーをあっちこっち変えてみたり…。
結果はやっぱり変わらず。
この、お茶の濁りや表面に浮く油膜、カップにこびりつく茶渋のような汚れの原因は、ずばり“硬水”だそう!
紅茶や緑茶に含まれるカフェイン、タンニン、フラボノイド、カテキン(ポリフェノールの1つ)などの成分が、硬水に多く含まれるカルシウム、マグネシウムと結合した結果、
お茶に油膜が浮いたり、
お茶が濁ったり、
きれいな赤い紅茶にならず、なんだかどす黒かったり…。
味や香りにも影響を与えますし、何よりまず見た目がアウト!
解決策: 見た目も味もいいお茶は、コレで入れられます!
一発逆転な解決策は 浄水器 を使うこと!です。
中でも、ドイツ・オーストリア在住 日本人のご家庭では定番かもしれませんが、ブリタ(Brita)の浄水器 が手にも入れやすくオススメです。
ブリタで水道水をろ過することで、以下の物質が除去されるそう(ブリタの公式サイトより)。
- 水アカ(カルシウム・マグネシウムイオン)
- 残留塩素
- 鉛、銅
硬水の原因であるカルシウム・マグネシウムを除去してくれるので、<お茶の油膜問題・濁り問題・なんか色悪い問題>がものの見事に一発で解決しますので、皆さんもぜひ試してみてください!
↓↓ Britaのポット型浄水器<Marella (マレーラ)>
本体とフィルター3つが付いて約25ユーロ。気軽に使い始められる価格でスターターとしてもオススメなBritaの定番商品です!
カルキ問題②: なんか水回り白くない!?
いつも銀色に輝いていてほしい水道の蛇口やキッチンのシンク…。
ドイツやオーストリアなど、硬水の地域では、蛇口やシンクがすぐに白く汚れてしまいます。
水道の蛇口やシンクなどに水滴がつき、その後 水分だけが蒸発。
水の中に含まれるカルシウムなどのミネラル成分のみが残り、それが白い汚れとなって、こびりつきます。
もちろん、こまめに水気をふき取ればキレイな状態をキープできるのですが、水を出す度に毎回毎回ふき掃除…ってのも、現実的じゃないですよね…。
「ちょっとぐらいいいか…」と思って汚れを放置しておくと、そこにさらに汚れが蓄積して石のように固くなり、なかなか落ちなくなってしまいます。
解決策: 自家製クエン酸スプレーでピッカピカに!
水回りの白い汚れはアルカリ性なので、酸性の「クエン酸」を使って中和すると簡単に掃除できます!
クエン酸スプレーは自分で簡単に作れます。
口に入れられるものだけで作れば、小さなお子さんのいるご家庭でも安心して使えますし、お財布にも優しい!
★ 自家製クエン酸スプレーの作り方 ★
- 水~ぬるま湯100mlに、小さじ1/2 のクエン酸を溶かします(必ずぬるま湯を先に入れておきます)。
水でも溶けますが、ぬるま湯の方が早く溶けやすいです。
熱湯にクエン酸粉末を加えると、お湯が突然吹き出す危険性があり危険なので、必ず水~ぬるま湯を使います。
水の中にクエン酸の粉が残っていると、スプレー詰まりの原因になったり、せっかく掃除しても うっすらと粉の跡が残ったりしますので、最初によく溶かしておきましょう! - スプレーボトルに入れる。
もちろん、スプレーボトルの口に十分な広さがあったり、漏斗(ろうと)を使う場合は、スプレーボトルの中で直接 水 と クエン酸 を混ぜてもOK!
その場合は、シャカシャカとよく振って混ぜましょう。
上記2つだけでOKですが(ここまでは、口に入れても安全な材料ですね)、以下のものを加えても◎!
- 食器用洗剤 小さじ1/5ほど(目安は2-3滴)。
スプレー液が蛇口などのツルツルした面にくっつきやすくなるので、垂直面にスプレーしたい時などに便利です。 - エッセンシャルオイル 約2~3滴。
殺菌・抗菌・制菌効果を高めてくれます(例: ティーツリー、ラベンダー、オレンジ、レモン、その他柑橘系のオイル)
好きな香りのオイルを使えば、気分も上がりますよね!
うちでは、衣類に穴をあけてしまう蛾(Motte)やたまににょろっと出てくるセイヨウシミ(Silverfisch)対策も兼ねて、ラベンダーオイルを使っています。
クエン酸スプレーは少量ずつ作って、1~2週間で使い切りましょう。
エッセンシャルオイルは dm や Müller など、ドラッグストアで買えますのでチェックしてみてください!
dm や Müller で買えるエッセンシャルオイルが100%純粋で天然成分か?などとこだわりだすと、そうとは言えない部分もあるのですが、
今回はお掃除に使うだけなので、dm や Müller で買えるレベルのエッセンシャルオイルで十分じゃないかな…と私は思っています☆
クエン酸(Zitronensäure)は、食品用ならスーパーで、掃除用ならドラックストアで手に入ります。
クエン酸は、食品用でも高くないですし、いくら使っても減らない感じなので、うちでは「幼児がなめてもいいように…」と食品用を使っています。
掃除用より効果が劣る…ということはありません😀
↓↓ スーパーで買える食品用クエン酸
↓↓ ドラッグストアなどで買える掃除用クエン酸(上が粉末、下が液体)。
液体を選ぶか粉末を選ぶかは、使用感の好みによりますが、液体はそのままサッと使えるのが便利。
粉末の方は、自分で濃度の調整がしやすく、いくら使っても減らない感じなので、お値段的にもお得感あり☆
クエン酸スプレーの使い方は簡単!
- 使う前に、エッセンシャルオイルを均等に混ぜる感じでシャカシャカと振って、あとは白く汚れた表面にシュッとスプレー!
- しばらく(と言っても 私は5秒も待てない…😁 数十秒待つのがいいらしいです)置いた後、スポンジで軽くこするとキレイになります。
- その後、乾いたふきんやキッチンペーパーでふくと完璧!
この工程、面倒なんで私はついつい省いちゃうのですが😅、それなりにピカピカになります。
カルキ汚れがひどい場合は…
汚れがひどく、サッとこすったぐらいでは取れない場合、白く石のように固まってしまっている汚れは、クエン酸パックで汚れをゆるめてから掃除します。
- 上と同じように、スプレーをシャカシャカと振った後、クエン酸スプレーを汚れにたっぷり吹きかける。
- その上にキッチンペーパーをピタッと貼り付け、
- キッチンペーパーの上にさらにラップを貼って蒸発防止。
- 30分程度放置したあと、キッチンペーパーとラップをはがして、スポンジでこすり洗い。
- 上と同じように、乾いたふきんやキッチンペーパーでふけば完璧!
クエン酸を使う時の注意点
- クエン酸は、大理石やアルミ・鉄・銅・コンクリートといった石材・金属に使うと、ツヤがなくなってしまったり(大理石は主にカルシウムなので溶けてしまいます…)、鉄・銅・アルミはサビでしまったり、コンクリートは劣化してしまったりと、使用に適さない素材がありますので注意します(ステンレスは大丈夫です)。
- 塩素系漂白剤(ドイツ語では“Chlor”と書いてあります)と混ざると有毒ガスが発生して大変危険なので、こちらも十分注意します。
- 手肌が敏感な方は、ゴム手袋を着用するといいです。
- 酸性のため、粉やスプレー液が目に入るととても痛いです。目に入ってしまった場合は、清潔な水で十分にすすぎ流しましょう。
カルキ問題③: 電気ケトルの底に、石灰がこびりつく!
電気ケトルも、ドイツ・オーストリアの家庭の定番家電ですよね。
ヤカンで水を沸かしているご家庭もあるとは思うのですが、これまでたぶん1軒しか見たことがない…。
キッチン付きのペンションなどに泊っても、必ず置いてあります。
一瞬でお湯が沸く電気ケトル、とても便利なのですが、何も対策せずに1-2週間も使っていると、白い石のような石灰がポットの底にこびりついたり、それがはがれて、水にプカプカ浮いていたり…😨
解決策: ポットの汚れもクエン酸で一発!
電気ケトルも、クエン酸の力で驚くほど簡単にキレイになります!
- 電気ケトルの満水の線まで水を入れ、クエン酸 大さじ1~3(汚れ具合で調整してください)を入れて水を温めます(沸騰はさせません。水を加熱し過ぎることでクエン酸と石灰が反応し、白い沈殿物<クエン酸カルシウム>を形成してしまう可能性があるためです。)
- 沸騰後30分~1時間ほど放置します
- お湯を捨て、必要であればスポンジでこすり洗い(こすり洗わなくても、結構キレイに汚れが取れていると思います!)。
キレイな水で洗い流せば、新品のようにピカピカなケトルが蘇ります!
おわりに
今回は具体的な 硬水問題&解決法を3つ 見てきました。
お茶・水回り・電気ポットがメインテーマでしたが、硬水対策としてはまだ知っておきたいことがいろいろとあります。
記事ができ次第、追ってご紹介していきますので、ぜひまた遊びにきてください!😊