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2025年5月10日(土曜日)
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オーストリアの水道水は飲める?観光中の飲み水事情とレストランでの頼み方をやさしく解説

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海外を訪れる際、まず気になることのひとつが「水道水は飲めるの?」という点ではないでしょうか。

結論から言うと、オーストリアの水道水はそのまま飲んでもまったく問題ありません!
むしろ個人的には、「わざわざ買わずに、ぜひ飲んでみてほしい!」と思うほど、品質・味ともに優れています✨

🏔 ウィーンの水道水は“世界最高レベル”といわれています

オーストリアの水道水は、地下水と湧き水がほぼ半分ずつの割合。
国土の約65%をアルプス山脈が占めるこの国では、山々の奥深くに、質の高い水がたっぷりとたくわえられています。

なかでもウィーンに届く水は、文字通り“アルプスの天然水”
主にシュタイヤーマルク州の高地でくみ上げられた湧き水が、最長150kmのパイプラインを通って24時間以内にウィーンへと届けられます。

都市の水道水とは思えないほどのクオリティで、「世界最高クラス」と評価されるのもうなずけます。
氷のように冷たく、ミネラル分もほどよく、クセのないすっきりとした味わい。
水の専門家たちからも「理想的な水」と太鼓判を押されているそうです。

実際、ウィーンはEU圏内で5番目に大きな都市(人口約200万人)ですが、水道からはキンキンに冷えた、まるで高級ミネラルウォーターのような水が出てきます。
一口飲むと、まるで山の湧き水をすくって飲んでいるかのような、さわやかで清々しい味わいです✨

🌿 ちょっとした思い出

日本から遊びに来た友人が、バスルームで洗濯していたときのこと。
「水、どうしたの!?冷たすぎて洗えないんだけど!??」と叫んでいたことがありました。
蛇口から出る水があまりに冷たくて、手が痛くなってしまったんですよね…😆
「お湯!お湯にしてー!」と叫び返したのも、懐かしい思い出です😆

🧤 みなさんも手洗いや洗濯をするときは、温水を使うのがおすすめです。
(こちらでは、硬水対策の意味でも、基本的に洗濯物は温水で洗うのが一般的です。)

♡すめぺん♡

お料理で野菜を洗うときなんかも、冷たすぎて手が本気で痛くなるので、温水と交互に使ってなんとか頑張ってます😂

また、オーストリアの水はヨーロッパの中では比較的「軟らかめ」。
硬水が苦手な方でも、飲みやすく感じられると思います。

ただし、日本の軟水に慣れている方の中には、最初のうちはお腹がゆるくなる方もいるかもしれませんので、ご注意を。

🚰 ウィーン市内には水飲み場がなんと1600か所以上!

ウィーン市では、「すべての人の健康と生活の質(QOL)を高めること」を目的に、
無料で使える公共の水飲み場を、市内1600か所以上に設置しています。

公園、観光スポット、広場など、さまざまな場所に設置されていて、
屋外であっても水道の蛇口と同じ品質の水が使われているので、安心して飲むことができます。

ウィーンの人々は、屋外の水飲み場でもまったく気にせず、気軽にゴクゴク。
気にならないという方は、ぜひ旅行中にも活用してみてくださいね。

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🟢 マイボトルに補給できるので、水を買う必要がなく経済的
🟢 薬を飲みたいときや、お子さんの喉が渇いたときにもとても便利

🔍 水飲み場の場所は、ウィーン市の公式ページ で検索することができます(下が水飲み場を表示した地図です👇)。

🍽 レストランでは「お冷」は出てこない?

オーストリアのレストランでは、日本のように無料でお水(お冷)が出てくることはほとんどありません
こちらでは、食事の前に飲み物を注文するのが基本スタイルです。

お店に入って席に着くと、メニューを開く前に「お飲み物は何にされますか?」と聞かれることもよくあります。

初めのうちは少し戸惑うかもしれませんが、慣れてくると、
どのレストランでも扱う飲み物の種類はだいたい似ているので、
自分のお気に入りを決めておくと、スムーズに対応できますよ🍷

もちろん、「まず、メニューを見せていただけますか?(Könnte ich bitte die Karte haben?)」と伝えてもまったく問題ありません😊

💧 水を注文するときのポイント

オーストリアで水を頼むときは、たいてい ガラス瓶入りの「ミネラルウォーター(Mineralwasser)」になります。

ただし、炭酸入りが基本なので要注意!

種類表記意味
炭酸入りprickelnd / mit Kohlensäureシュワっとした炭酸水
炭酸なしstill / ohne Kohlensäure無炭酸の水(日本の水に近い)

炭酸が苦手な方は「Stilles Wasser, bitte(シュティレス・ヴァッサー・ビッテ = 炭酸なしの水をください)」と伝えるのが安心です。

小さめの瓶で提供されることが多く、
「Römerquelle(レーマー・クヴェレ)」や「Vöslauer(フェスラウアー)」など、銘柄名で書かれていることもあります。

🍋 「Soda」はもっとカジュアルに楽しめます

ちょっと軽めに済ませたいときや、喉をさっぱり潤したいときには、
「Soda(ソーダ)」と表記されている炭酸水(※甘くありません)も人気。

特にレモンを添えた「Soda mit Zitrone(ソーダ・ミット・ツィトローネ)」は、爽やかでおすすめです。
たいてい瓶入りのミネラルウォーターよりも、リーズナブルな価格で提供されています。

🛒 スーパーで水を買うときの表記

表記意味
Prickelnd / Kohlensäure炭酸強め
Mild炭酸控えめ
Ohne / Still炭酸なし

旅行中に購入する際にも、ラベルをチェックして、お好みに合わせて選んでみてくださいね。

💧「水道水(Leitungswasser)」は頼める?無料?

オーストリアでもレストランによっては、水道水(Leitungswasser)を頼むことも可能です。

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お店によって対応は異なり、
無料で出してくれるところもあれば、数十セント〜1ユーロ程度の料金がかかる場合もあります。

「水が有料!?」と驚かれるかもしれませんが、
オーストリアでは「飲み物も含めて食事を楽しむ」という文化が根づいているため、
おしゃべりをしながらゆったり過ごす場では、自然と飲み物を注文する人が多い印象です。

☕️ お水の代わりに、軽めのジュースや炭酸水、コーヒーなどを楽しむのも素敵ですね。

💭 ちなみに…どうして水道水が有料になったの?

実は、水道水(Leitungswasser)を有料で提供するお店が増えてきたのは、ここ数年のこと。

飲食店にとって、飲み物は大切な収益源
近年、「水道水でいいや」というお客さんが増えるにつれ、
飲み物の注文が減ってしまい、経営的に厳しくなるお店も出てきたようです。

そこで、ごく少額の料金(数十セント〜1ユーロほど)をいただいて水道水を提供するという対応が、少しずつ広がっていきました。

お客さんにもお店側にも配慮した、オーストリアらしいバランスの取り方なのかもしれませんね。🍽💧

一方で、平日のランチタイムなどは、飲み物を頼まずサッと食べて出る人も珍しくありません。
TPOに合わせて、気負わず対応してみてくださいね。

📝 ちょっとした豆知識

平日のお昼時は、「Mittagsmenü(ミッタークスメニュー)」と呼ばれる
お得なランチセットを用意しているお店もたくさんあります。
飲み物は別料金のことが多いですが、手頃な価格でボリュームのあるランチが楽しめますよ!

☕ カフェでコーヒーに「水」がついてくる理由

オーストリアのカフェでコーヒーを頼むと、
小さなグラスに入ったお水(Leitungswasser)がさりげなく添えられてきます。

実はこれ、「なぜ?」と深く考えながら飲んでいる人はあまりいないようで、
オーストリア人に聞いても、「うーん、どうしてかねぇ…?」といった反応が多い印象です。

でも、“物の本”によると、こんな説が紹介されていました👇

💡 お水が添えられている理由として、よく言われるのは…

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  • 苦味のあるコーヒーの後味を、すっきりとさせるため
  • 利尿作用で失われやすい水分を補うため
  • 胃への負担をやわらげるため
  • 昔は「うちは良質な水でコーヒーを淹れています」という証しだった、という説も

☕✨どれもなるほど…と思えるものばかりですね。

♡すめぺん♡

♡すめぺん♡も、ちょっと濃くてどっしりしたオーストリアのコーヒーを飲むとき、この水に助けられています☕✨

🧳 まとめ|オーストリア旅行は「水」でもっと快適に

  • オーストリアの水道水は、そのまま飲めてとても美味しい
  • ウィーン市内には、無料で使える水飲み場がたくさん
  • レストランでは飲み物の注文がマナー。水も有料のことがあります
  • コーヒーと一緒に出てくるお水も、ウィーンの文化のひとつです

初めてウィーンを訪れたとき、
「蛇口からこんなに美味しいお水が出てくるなんて…!」と、
思わず感動したのを今でもよく覚えています。

買わなくても、安心して飲める水があるというのは、旅先では本当にありがたいこと。
マイボトルに現地の水を詰めて、“旅の味”として楽しんでみてくださいね☺️💧

オーストリア・ドイツの水事情について、以下の記事も参考になります。

硬水を知って上手につきあうための第一歩! in ドイツ・オーストリア
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「ヨーロッパの水道水は硬水だから、お肌が〇〇〇、お腹が×××…。」などと、よく言われますよね。 でも、“硬水”…
https://sumemiya.net/hard-water-in-germany-austria-01/
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前回は、ドイツ・オーストリアの硬水と仲良くつきあっていくための第1弾として、 硬水と水の硬度、各地域の硬度の調…
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♡すめぺん♡
♡すめぺん♡
~2009年よりウィーン在住~

文化人類学を専門に学び、オーストリアの暮らしや文化に長く親しんできた人。
ウィーンで子育てをしながら、ブログでは現地の生活情報や、ちょっとした気づきを発信中🌿

大学研究室、芸術文化系の職場やメーカー勤務を経て、
勤務先などを通じてリロケーションサポート(生活立ち上げ支援)にも10年以上携わってきました。
(※現在、滞在に関する個別のご相談はお受けしておりませんのでご了承ください。)

ネコ、写真、宗教音楽、宇宙などが好き。
なんでもスローテンポな人間なので、家族には「前世はナマケモノ🦥」と笑われていますが、
「ナマケモノでもまぁいっか」と、最近ようやく思えるようになってきました😊
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